ファッション性は二の次 | 四季彩

四季彩

更新停止中。過去の記事を公開しています。

今回の色彩情報は、
ゲレンデにおけるインストラクターのウエアについて
に関する情報です。



出所:福岡色彩文化研究会



日本色彩学会が発行している学会誌にちょっと興味深い研究レポートを見つけましたので、
ご紹介させていただます。

東京・八王子にある「工学院大学」のメンバーによる研究レポートから引用
(文章の一部、割愛しています)

「近年、ファッション性が重要視されるウインタースポーツウエアの中で、
インストラクターはどのようなウエアを着用すべきかを考える。
これらの研究結果は安全色として、レスキュー隊や地震の際の捜索隊にも
利用することが出来る。

実験は1~3、
実験1は「見つけやすさの」
実験2は「覚えやすい配色1」
実験3は「覚えやすい配色2」

20代~50代の男女、被験者28名

実際にゲレンデで撮影した動画を用いて、どの色が、どの配色が
「見つけやすい」か「覚えやすい配色」か、
マンセルの基本色等を用いて行う。

結果:

1 ウエアの上下は「赤」
2 色の誤認を防ぐ為にカラーユニバーサルデザインのを使う。
3 ウエア色「赤」の印象を壊さない
4 左右対称にして側面に左右の違いを作らない


「青」も誤認率は低かったが、緑も少し加わると
第3色覚異常が起こる為、適色ではない。
最も速く認識できる色が「上下・赤」のウエアだった。

実験詳細はスペース上、割愛しています。

色の性質、視覚の性質を知っている人なら、結果「赤」というのは
予測できますが、
商品開発の分野では、まだまだ色の効果が使われていないように感じます。
「カラーコーディネート」と言う言葉はかなり浸透し、
一般的用語のように使われていますが、
まだファッション性の部分が多く取り上げられるようです。
もっと、実質的な「色」の効果を多くの人に
知っていただきたいです。
これはカラーの専門家の努力も必要ですね・・・。
がんばります!


日本色彩学会
工学院大学
日本ユニバーサルカラー協会


色彩総合研究所 色楽(しきらく)
九州造形短期大学非常勤講師
福岡色彩文化研究会主宰     桑野優子