2021年1月上旬になり、すぐに水口病院に入院させた。
面会は出来ないが、着替えの交換で週二回は病院に行かなければならない。
片道50キロほどの道のりで、車で1.5時間ぐらい掛かった。
もちろん、相手方は病院には来ないのが分かっていたため、何かを頼んだりはしなかった。
病院の担当医も割といい加減で、説明をすると自分で言った日を忘れる事があり、私が医者を捕まえて聞かないと状態が分からないという雑な対応だった。
治療の結果、数回で中止したらしい。
ほとんど改善が見られないため、という事だった。
なんとなくそんな予感がしていた。
やはりという気持ちが最初だったと記憶している。
率直な感想として、精神科という科は非常に特殊な科で、かつ頼りない感じがした。
医師は自分が見たいようにしか見てないという印象だ。
少しは期待していたが治らないと分かり、またもや絶望に溢れた。
1月〜2月の寒い日々、薄い日差しの中で病院へと走った記憶だけしか残っていない。
相手方の旦那からは全く連絡がなく、いつものように私から連絡するという形だった。
一回も来ないため、全く病状も分からないままにテキトーな事を相手方と旦那に憤りはあったが、私は絶望感の方が強く反論する気にはならなかった。
退院時には彼女もいつものように来てくれ、退院準備は楽に終えられた。
帰り道、ボーっとする母の顔はもうしっかりと認知症患者の顔に見えていた。
私はこれからどうすればいいか、絶望感のなか考え続けていた。