終活僧侶のブログ

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臨死体験から20年、価値観が「よく死ぬために生きる」になって、終活を始めた坊さんの日常です。

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「あんた神さまかい?」

近年、「神様」の大安売りです。

 

昔から日本では、八百万の神々と言われるように、いろんな所にいろんな神様がたくさんいると言われてきました。神様はひとり(?)と考えているキリスト教やイスラム教の人たちから見れば、びっくりする数です。皆さんのまわりを見ても、寺や神社だけでなく、至る所に祠やあったり、像が置かれていて、手を合わすことも多いでしょう。

 

昔、ドリフターズの志村けんさんのコントで 「あんた神様かい?」「あん(何)だって?」「あんた神様でしょ?」「とんでもねえ、あたしゃ神様だよ」というように「隣に神様がいる」のが日本でした。

 

最近では「神対応」という言葉がよく聞かれます。アメリカ野球のメジャーリーグの大谷選手が、球場で客席の観客が持ち物をグランドに落としてしまったのを拾ってあげたり、帰る途中で歩くのを止めてサインをするのを「すばらしい、神対応だ」と称賛しています。大谷選手くらいになると、おそらくご本人は意識していないと思いますが、それこそ神さまに対するような特別なサービス対応と周りが見るのでしょう。

 

最近、少しよいことをすると、この「神対応」が連発して使われています。ちょっとしたサービスをするだけで、「神対応」と褒められます。まさしく「神様の大安売り」です。

 

そして日本の接客サービスの良さを表わす言葉として「お客様は神様です」が使われてきました。神様のように、お客様を接客する、至れり尽くせりのサービスを意味しています。東京オリンピック招致のプレゼンテーションで滝川クリステルさんが使って流行した「おもてなし」はこの「神様サービス」のことを言っています。外国から日本に来た外国人観光客がこの「神様サービス」を経験して「日本のサービスはすばらしい」と称賛を惜しみません。

 

しかし近年、この「神様サービス」に慣れてしまった日本人に良くない行動が見えてきました。「お客様は神様なんだから、もっとサービスしろ。」「おれは客だ。こっちの言うことを聞いて、口答えするな。」店でめちゃくちゃな要求をしている人をよく見るようになりました。自衛隊の人たちが被災地で温かいものを食べることや、消防士や警察官がコンビニで買い物をすることに苦情を入れる人たちもいます。これも「神様サービス」に慣れてしまった人たちです。このような人たちに言いたいこと、それは「あんた、それでも神様のつもり?」です。

 

「神様サービス」は実は、もてなされる側が神様であって始めて成り立つサービスです。新幹線が東京駅に着くと、車内をあっという間にきれいにする人たちがいます。清掃時間わずか数分、到着してから20分後には、新幹線が出発していきます。まさしく「とてつもなく早いサービス」です。しかし、乗客がごみを散らかしてそのままにしていたら、こんなに早くきれいにすることは不可能です。短時間で清掃を終了するためには、乗客が自分の使った席をきれいにしていくことが必要なのです。新幹線掃除スタッフの完璧な仕事は、乗客の神様のような後片付けに支えられています。だから、彼らからすれば、「お客様は神様です」なのです。

 

神様のように扱ってもらいたければ、神様のようにふるまうこと、私たち日本人は、今もう一度、振り返って、神様サービスを受けるだけの資格があるかどうかを考える時期に来ているのではないでしょうか。