やっぱり私の道は、コーヒーだった
病室で、97歳のおじがゆっくりとコーヒーを口にした瞬間、
胸の奥がじんわりと温かくなりました。
最近、あまり反応がなかったおじが、
「もっと入れて」と笑顔を見せてくれたあのひととき。
特別な豆でも、おしゃれなカフェでもない。
それでも、確かに“心が通った”瞬間でした。
――やっぱり私の道は、コーヒーだった。
ベッドの上で過ごした、小さな幸せ
先日、97歳になるおじのお見舞いに行ってきました。
ここしばらく、話しかけても反応があまりなく、
ぐったりしていることが多かったおじ。
少しでも元気が出ればと、
家で淹れたアイスコーヒーをタンブラーに入れて持って行きました。
「コーヒー持ってきたよ」と声をかけたら、
おじは頑張って身体を起こし、ゆっくりとこちらを見てくれました。
「もっと入れて」からはじまる奇跡の時間
プリンの空き容器をコップ代わりにして、
アイスコーヒーを少しだけ注いで渡したら、
「そんな少しじゃなくて、もっと入れて」と言われてびっくり。
そのあと、おかわりまでしてくれました。
最近は食事もほとんど口にしていなかったのに、
持って行ったプリンも完食。
おばと私のふたりで
「わあ!飲んだ飲んだ!」と笑い合いました。
病室の小さなベッドの上で、
たったそれだけのことなのに、涙が出るほど幸せでした。
コーヒーがくれた“幸せの仕掛け”
この日あらためて感じたのは、
コーヒーってただ「美味しい飲み物」ではなく、
人の心を動かす“ギミック(仕掛け)”のような存在だということ。
プラスチックのコップでも、
高級豆じゃなくても、
コーヒーを通して心がつながる瞬間がある。
それは、どんな場所でも生まれる“幸せな時間”。
私のやりたいことは、やっぱりこれだった
おじがコーヒーを飲む姿を見ながら、
「ああ、私がやりたいのはこれだ」と思いました。
コーヒーは、人を元気にし、
優しさやぬくもりを運んでくれる飲み物。
私は、そんな瞬間をつくる仕事がしたい。
それが、私の道――コーヒーの道だと、改めて確信しました。
コーヒーは、ただの飲み物じゃない。
心を動かす、小さな奇跡を運ぶ存在。
