向こう岸からの半生 | Perpetual tea roadのお稽古日誌

Perpetual tea roadのお稽古日誌

沼津市の茶道教室&コーチングサロン Perpetual tea roadのお稽古記録です。

大人女子校沼津校の講師として、自分の半生を語るよう依頼されております。
大人女子校は参加者も講師も無料で参加できるコミュニケーションイベントです。

ざっと原稿を書いて読み上げたところ、10分で終わりました。
なんと薄っぺらい人生!!


震災の体験談を語ると視聴者がしんどいと思うんです。

楽しくない。暗い。

お涙頂戴の感動話にするには、相当な構成力と演技力が必要です。

もちろん、被災児のモデルとして過去を語ることはいつでも協力します。
でも、無料ではできません。
いただいたお金を全額募金するとしても、端から無料は絶対ダメ。それが慈善活動であったとしてもです。


被災して心に深い傷を負い、親と貧困に陥って、親戚にお荷物扱いにされて、若くして働いて、親にたくさんお金を渡して……

そんな被災児の傷口を見せてもらって、慰謝料も払わないなんて、正気の沙汰じゃない。
私はもしかしたらもう平気なのかもしれないけど、後進のために、被災児講演だけは妥当な金額をいただくと決めています。


でも、被災児経験を省いたら、私の人生って驚くほど薄っぺらい。被災経験だって大したことないのに(笑)
ただ、傷が癒えないと講演なんかできないので、私より酷い阪神大震災の被災児はまだ闘争の最中なんですよね……。

そんな見えない仲間にエールを送りたいです。

あなたはもう十分がんばった。強くなった。
溺れる者は藁をも掴むと言いますが、あなたはもう溺れていないはずです。
その藁を手放してください。自分の足で向こう岸に歩いて進んでください。
そこからがあなたの人生です。

私の人生もこれからです。