事前に会報で過去最大級と告知していたシルクホースクラブの2022年産第1回追加募集が発表・締め切られました
毎年恒例になりつつある第1回追加募集ですが、過去最大級ということでしたので、15頭くらいはくるかな?と想像していましたが、過去最高から+1頭の12頭でした。それでもこの時期にこれだけの募集馬をそろえられるのは「さすが!」の一言です
過去の募集馬の中からは、重賞3勝のテルツェット、2024年京成杯2着・皐月賞4着のアーバンシックが誕生。ほかにもこれまでに3勝を挙げているインディゴブラック・ファイヤーボーラー・ミステリオーソ・リゾネーターもいます。追加募集馬ではありませんが、2024年に入りエピファニー・ミアネーロの重賞制覇ほか今後も重賞戦線を賑わしそうな存在が続々とスタンバイ。クラブ公式サイトの検討数や中間申込状況を見ての通り激戦必至は明白ですが、ある程度の考えを持って果敢に申込をしましたので、その内容についてよろしければお付き合いください
シルクホースクラブ
※全頭500口募集・測尺3月中旬時点
平均募集価格は、3,508万円(前年差+63万円・前年3,445万円)と横ばいに収まりました。今回は、ノーザンファーム生産馬に加えて、レイクヴィラファーム生産馬・サマーセール落札馬・キーンランドセプテンバーセール落札馬もラインアップ。所属については、関東馬が多くなりました
第1回追加募集馬(12頭)
関東馬(8頭)
※【 】内:左から…募集総額/父名/厩舎名
78.スターリーステージの22(牝)
【4,000万円/ロードカナロア/蛯名正義】
79.コパカティの22(牡)
【4,000万円/モーリス/森一誠】
80.サラーブの22(牡)
【5,000万円/モーリス/黒岩陽一】
81.リモニウムの22(牡)
【3,000万円/ブリックスアンドモルタル/高橋文雅】
82.カリンバの22(牝)
【2,400万円/アドマイヤマーズ/嘉藤貴行】
83.グリューネワルトの22(牝)
【3,500万円/レイデオロ/武井亮】
84.マチカネタマカズラの22(牝)
【2,000万円/フィエールマン/青木孝文】
85.インファルターメの22(牡)
【5,000万円/American Pharoah/大竹正博】
関西馬(4頭)
※【 】内:左から…募集総額/父名/厩舎
86.ライラプスの22(牝)
【2,000万円/サトノクラウン/吉岡辰弥】
87.サンソヴールの22(牡)
【3,200万円/ナダル/福永祐一】
88.ユメノトキメキの22(牡)
【3,000万円/タワーオブロンドン/松下武士】
89.○外Interruptedの22(牡)
【5,000万円/American Pharoah/寺島良】
出資申込馬(3頭)
※募集番号順
❶87.サンソヴールの22
❷88.ユメノトキメキの22
❸89.○外Interruptedの22
87.サンソヴールの22(牡)
募集総額 3,200万円(1口6.4万円)
生年月日 2022年4月2日
厩舎 福永 祐一(栗東)
生産 ノーザンファーム
父 ナダル
母 サンソヴール
母父 キングカメハメハ
主な近親 四代母ライトバンク
(イタリア3歳チャンピオン)
産時母年齢 11歳(第5仔)
測尺 馬体重:534kg
体高 :166cm
胸囲 :189cm
管囲 :22cm
近況(4/8付・抜粋)
ノーザンファーム空港在厩。この中間は坂路調教を週に5回行っており、そのうち3回は2本ずつ登坂し1本目ハロン16~17秒、2本目にはハロン15~16秒、残りの2回はハロン17秒で1本登坂。与えた飼い葉はしっかり食べてくれますし、今のペースならば楽に動けるように体力面での心配はまったくありません。恵まれた馬体からパワーを活かして良い脚を長く持続できるタイプの馬ですから、その走りに磨きをかけて行き、6月頃の移動を目指したいと思います(担当者)
注目の新種牡馬産駒
馬体・血統から主戦場はダートの中距離とみています。
馬体面は、前脚や馬体重に一抹の不安を残しますが、まだまだ成長の余地を残しながらも父から受け継がれた恵まれた体型が目を惹きます。調教で見せている豪快なフットワークはいかにもダート適性が高そうです。測尺は許容範囲です。すでに坂路ハロン16-17秒ペースを進めている通り調教過程も順調。堂々とした風格から気性にも大きな不安はありません。
血統面では、父ナダルは米国産で、北米戦績が4戦4勝で主戦場はダートの中距離。主な勝鞍は、アーカンソーダービー。レースを見ましたが、スピードと勝負根性がありそうですので、故障がなければもっと大きなところを狙えたことが想像できます。2021-2023年の平均種付け頭数122頭。初年度産駒が、2024年にデビューします。
母サンソヴールは、G1サラブレッドクラブより2,400万円で募集。戦績が19戦6勝で主戦場は芝の中距離。地方転出からJRA再登録を果たし、愛知杯2着などの活躍で獲得賞金は5,600万円超え。近親に国内重賞馬など目立った点はありませんが、半兄クールミラボー(G1TC)がオープン入りを果たし、重賞戦線での活躍が期待されています。
母の父キングカメハメハは、2001年セレクトセール(当歳セッション)にて 8,190万円で落札。戦績が8戦7勝で主戦場は芝のマイル~中距離。主な勝鞍は、日本ダービー・NHKマイルカップ・神戸新聞杯。2023年JRA-BMS全馬リーディング第2位(AEI:1.12)で、はウシュバテソーロ(ドバイWC勝ち)を含む10頭のG1馬を輩出。これまでにJRA-BMSリーディング1位を3回獲得しています。
5代血統表までを見るとMr. Prospector4×5×5がクロスされています。
福永祐一厩舎は、騎手時代に日本ダービー3勝をはじめ重賞200勝超え(含む地方・海外)、JRA通算2,636勝を挙げた名騎手で騎手引退後の2024年3月に厩舎を開業。4月7日(日)に開業後初勝利を挙げており、これからの飛躍が期待されている新進気鋭の厩舎です。
本募集馬は、デビュー前から評判の高い新種牡馬ナダル産駒で、父Roberto系×母の父キングカメハメハの戦績も良いので注目しています。人気に拍車をかけていると推察される福永祐一厩舎預託で、重戦車のように見栄えする馬体をフルに生かせるよう、焦らずにじっくりと成長して古馬で大成しますように
募集総額 3,000万円(1口6万円)
生年月日 2022年3月10日
厩舎 松下 武士(栗東)
生産 登別上水牧場
父 タワーオブロンドン
母 ユメノトキメキ
母父 マーベラスサンデー
主な近親 トゥ ティペレアリー
(北米重賞勝ち)
産時母年齢 15歳(第6仔)
測尺 馬体重:487kg
体高 :166cm
胸囲 :183cm
管囲 :20cm
近況(4/8付・抜粋)
ノーザンファーム空港在厩。この中間は週3回坂路コースにてハロン14~15秒ペースで登坂、週1回は周回コースにて2,700mのキャンター、残りの日はウォーキングマシンでの運動を行っています。バネが有って柔らかい走りをするのが本馬の特長なのですが、馬体の張りや艶も良好なことから非常に見映えもします。ここまで特に問題なく進められており、仕上がりも早そうですから、近々移動させたいと考えています(担当者)
サマーセールから進化
馬体・血統から主戦場は芝の短距離~マイルとみています。
馬体面は、公開動画から柔らかくも力強いフットワークががみてとれます。測尺も問題ありません。すでに坂路ハロン14-15秒ペースを進めている通り調教過程も順調。更には、完成度の高さも感じますので早期デビューが見込めそうです。凛々しい顔立ち・力強い眼差し・立ち居振る舞いを見る限り、気持ちの昂りへの懸念はあるものの大きな不安はありません。
血統面では、父タワーオブロンドンは、戦績が18戦7勝で主戦場は芝の短距離~マイル。主な勝鞍は、スプリンターズS・京王杯2歳S・京王杯スプリングS・セントウルS。2021-2023年の平均種付け頭数141頭。初年度産駒が、2024年にデビューします。
母ユメノトキメキは2009年JRAブリーズアップセールにて892.5万円で落札。戦績が25戦3勝で主戦場は芝のマイル〜中距離。獲得賞金3,000万円超え。四代母ファンタスティック レヴューから海外重賞馬が多数輩出されていますが、曽祖母メイクミーレインボーズからは目立った産駒は輩出されていません。近親に国内重賞馬など目立った点はありませんが、母の産駒のうち1頭がJRAで1勝しています。
母の父マーベラスサンデーは、戦績が15戦10勝で主戦場は芝の中距離。主な勝鞍は、宝塚記念・大阪杯・京都大賞典。2023年JRA-BMS全馬リーディング第148位(AEI:0.54)で代表馬はレッツゴードンキ(桜花賞勝ち)。2019年以降低迷していますが、産駒は芝・ダート問わず幅広いカテゴリーで活躍しています。
5代血統表までを見るとMr. Prospector4×5・Northern Dancer5×5×5がクロスされています。
松下武士厩舎は、2023年リーディング第51位。直近5年の成績を見るとコンスタントに20勝をあげています。主な管理馬は、レシステンシア(キャロットC)・カラクレナイ・シャマル。当クラブでは、これまでに7頭を預託管理、活躍馬は2勝クラスで獲得賞金3,000万円超えのカラレーションです。
社台スタリオンステーション繋養種牡馬が主体の当クラブとしては、なかなか募集されることのないダーレー・ジャパンスタリオン繋養種牡馬タワーオブロンドンの産駒で、何とも魅惑的なサマーセール購買馬です!
母ユメノトキメキに種付けされてきた種牡馬が地味なことを含め、血統に派手さがないことや近親に国内での活躍馬はいません。それでも、サマーセール購買価格1,320万円から倍以上の値をつけてきたことは、ノーザンファーム育成も後押しとなっているサマーセールからの進化・成長を含めた出来の良さ・既に近々の移動も視野に入る順調ぶりなどからの自信の表れとみました。クラブサイト内の検討者数がダントツのトップであることや中間申込状況を見ての通り、激戦必至は避けられない状況ですが、早々に勝ち上がり2歳ステークスも視野に入りそうな良駒です
89.○外Interruptedの22 (牡)
募集総額 5,000万円(1口10万円)
生年月日 2022年4月23日
厩舎 寺島 良(栗東)
生産 米国産
父 American Pharoah
母 Interrupted
母父 Broken Vow
主な近親 母Interrupted
(北米リステッド2勝)
祖母オルタネイト
(北米リステッド2勝)
ハイアー パワー
(北米G1勝ち・種牡馬)
ピークス アンド ヴァリーズ
(カナダ年度代表馬)
産時母年齢 11歳
測尺 馬体重:475kg
体高 :163cm
胸囲 :183cm
管囲 :21cm
近況(4/8付・抜粋)
ノーザンファーム空港在厩。3月下旬まで順調に調教を行っていたのですが、先日、右前膝下を裂創してしまったことから縫合して、傷口がきれいに閉じるまで舎飼にしています。それまでは、坂路調教を週に5回行っていて、そのうち3回は2本ずつ登坂し1本目ハロン16秒、2本目にはハロン15~16秒、残りの2回はハロン16秒で1本登坂。背中の感触がとても良くて首も上手に使って走れていましたし、ペースを上げても息遣いはケロッとしていたように体力もありますね。走ることに対してとても真面目なタイプながら、我慢が必要なタイミングではきちんと指示を待つことが出来る賢さも持ち合わせています(担当者)
注目の海外セール馬登場
馬体・血統から主戦場は芝・ダートのマイル〜中距離とみています。
馬体面は、昨年のセールから更にパワーアップした印象ですが、歩かせた時の右前脚の動きには、やや違和感を覚えますが、調教動画からは、馬体を大きく見せる走法での力強い動きがみてとれますし、測尺も問題ありません。すでに坂路ハロン15-16秒ペースまで進めていた中での裂創による頓挫は痛手ですが、縫合後の経過も順調そうですので大きな問題はないとみました。バランスが良いとは言えませんが、逞しい体に力強い眼差し・立ち居振る舞いを見る限り気性にも不安はありません。
血統面では、父American Pharoahは米国産で、北米戦績が11戦9勝で主戦場はダートの中距離。主な勝鞍は、ケンタッキーダービー・ベルモントS・BCクラシック。2023年JRA-BMS全馬リーディング第98位(AEI:0.68)。これまでのJRA出走馬の勝ち上がり率58%、国内外で16頭の重賞馬を輩出。日本国内では、カフェファラオ・ダノンファラオ・ペルアアの3頭の重賞馬がいます。
母Interruptedは米国産で、北米戦績が10戦5勝で主戦場は芝のマイル〜中距離。曾祖母ストライク ア バランスからピークス アンド ヴァリーズやハイアー パワーのG1馬をはじめ海外重賞馬が多数輩出されています。母の産駒のうち1頭が北米で1勝しています。
母の父Broken Vowは米国産で、北米戦績が14戦9勝で主戦場はダートの中距離。北米重賞を2勝していますが、G1勝ちはありません。2023年JRA-BMS全馬リーディング第211位(AEI:0.76)で代表馬はコルドンルージュ(サンデーTC・犬山特別勝ち)。
5代血統表までを見るとUnbridled3×4がクロスされています。
寺島良厩舎は、2023年リーディング第24位。直近5年の成績を見るとコンスタントに30勝レベルを維持しています。主な管理馬は、キングズソード(ユニオンOC)・セラフィックコール(キャロットC)。当クラブでは、これまでに5頭を預託管理、活躍馬はフェニックス賞勝ちで獲得賞金4,000万円超えのシングルアップです。
昨年のキーンランドセプテンバーセール購買馬です!
父American Pharoahは、日本での血統登録頭数が多くない中でもダートの重賞馬3頭を輩出していることは優秀。その3頭の血統を見たところ、母には3/4あたりの強めのクロスを持っています。父American Pharoahが強いクロスを持っていないことも相まって本募集馬のクロスも有効になるのではないかと考えています。国内唯一の父American Pharoah×母の父Broken Vow組み合わせから誕生しているコルドンルージュ(サンデーTC)は現役の3勝馬で獲得賞金約4,000万円となかなかの成績をあげています。
○外というレース選択に限りがある中で、13万ドルでの落札からの諸経費+αでの価格設定となりましたが、ノーザンファーム育成などの自信の表れとみました。
先述の通り、右前脚の動き、その右前脚が裂創したことは気がかりですが、総合的に見て魅力的な馬体・血統から激戦必至は避けられない状況でしょう。
ぺろすけに初Jpn1をプレゼントしてくれた寺島良先生と喜びを分かち合うことができる日が再び訪れますように
※指標:自分調べ(複数のツールを使用して算出)
※シルクホースクラブ🔗よりコメントなどの転載・引用許可済
次に出資馬決定方法・お申し込み状況・過去の第1回追加募集馬の結果(戦績・申し込み口数)を参考資料編としてまとめております!少しでもお役に立てばと思っています