邦題は「五匹の子豚」
16年前、画家である夫を殺して獄死した妻は、本当に犯人だったのか。
被害者を父に、加害者を母に持つ女性の依頼を受けたポアロが、当時の関係者5人の話を聞いて推理する、、、というのがあらすじです。
5人の顔ぶれは、犯人の異父妹(当時は少女)、被害者の愛人(当時は未成年)、被害者の親友とその兄(3人は幼なじみ)、異父妹の家庭教師。
犯人がどんな人物だったのか。5人の証言はずいぶんくい違います。
みんな彼女の人柄を、自分の感情のフィルターを通して見ていたので無理もない、、、。
さらに。
みんな自分に都合の悪いことは黙っていたり、嘘をつく。
でも、それぞれが他愛のないことだと思って語ったエピソードの中に、16年前の出来事の真実を見抜く手がかりが潜んでいたのです。
ひとつひとつは小さな手がかりなのですが、それを組み立てていくと、たったひとつの真実が見えてくる。
果たして犯人は?やはり画家の妻なのか。5人の関係者の中にいるのか。あるいは画家の自殺だったのか。
ネタバレになるので詳しくは書けませんが、犯人が◯◯じゃなかったら。事件は起きなかったんだろうなあ。
犯人が分かってから振り返ると、あちこちに象徴的な描写が散りばめられていることに気づきます。
うまいなあ。