官能美容小説 サロン・ド・ F (エフ) 【プロローグ】
『
お客様各位
いつも、ふみこ美容室を かわいがっていただき 誠に ありがとうございます。
皆様におかれましては、お寒い中 お元気で いらっしゃいますでしょうか?
さて、この度 3月3日 (女性の お祭り、桃の節句の日) に 私共 [女性専科 ふみこ美容室] は、華美駅前 笛地商店街の 旧・ふえちマーケット跡地に、[女性専用 美容室 サロン・ド・F (エフ)] として 移転・新装オープンを いたします。
これ迄より 駐車場も格段に広く 停め易くなりまして、又 店内も 明るく ゆったりとしたスペースで、皆様に 更にリラックスしていただける 素敵なサロンとして 生まれ変わります。 スタッフ一同、以前にも増して ご来店いただく お客様方 お一人お一人の 美と健康を 真に追求していきたいと 張り切っておりますので、どうぞ お気軽に お越し下さいますよう お願い申し上げます。
なお、お客様方を お待たせする事なく 最大の おもてなしを させていただきたく存じますので、これ迄同様に [完全予約制 及び、マンツーマン方式] を、固く守らせていただきたいと思っております。
どうぞ 皆様、ご安心の上 お越し下さいませ。
200×年2月吉日
ふみこ美容室 改め サロン・ド・ F (エフ) 店主 中村 芙美子
』
といった内容の ダイレクトメールが、某県 華美市を 中心とした (遠くは 新幹線を使って1時間程 離れた東京に迄 及ぶ…) ふみこ美容室の顧客全員の許に 一斉に届けられたのが、寒さも厳しい 200×年2月中旬の事だった。 それを受け取った お客様一人一人が 各々の胸に、
{ 女性の日、3月3日の桃の節句に開店だなんて流石、芙美子先生らしい こだわりだわね…}、
{ 今迄通り 女性専用 っていうのは、美容室で 男性と隣り合わせした時の あの何とも気まずい、恥ずかしい思いをする心配が全く無いから とっても安心して行けるわ… }、
{ 駐車場が広くなって 停め易くなるっていうのは、運転が あまり得意では無い、我々女性にとって凄く助かる、大切な事だわ…}、
{これ迄と同じで 完全予約制を守ってくれたら、殆ど待たされずに済むって事だから、それって とっても ありがたい事だわね…} 、
{ 今迄のように マンツーマンで、最初から最後迄一人で じっくり責任を持って担当してくれるっていうのが何よりも嬉しい事だわ。 だって よく大きな美容室に ありがちな、あの… たらい回しみたいに 担当者が代わるのって、何だか自分が 物扱いされているみたいで、凄く嫌な感じだものね…}
等々、それぞれに色んな思いを抱いていたのだが、その皆に共通する思いは、
{ どんなに、素敵な美容室に生まれ変わっているんだろう? }
という、大きな期待の気持ちであった。
そして 中には、案内状を受け取った その日のうちに、もう早速予約の電話を入れる者も ある位、否応無しに顧客 皆の期待度は高まっていた。
その期待に 応える為に、それこそ 自らの美容師人生の全てを賭けて 開店準備を整えてきた芙美子。 …そう、自分が幼い頃から抱き続けてきた、内に秘めたる様々な思いを込めて。
そしてもう絶対に この美容室でなければ、という程の深みの域に迄 達してしまった コアな顧客の為にも。
又、それらの皆様の強い願望を具体化するべく、構想から一年以上の歳月をかけて、じっくりと検討をし 準備を積み重ねてきた日々。
芙美子にとって 一世一代の、決して大袈裟でなく、これ迄に 世界中でも決して前例の無かった 全く新しいタイプの美容室。 その記念すべき開店の朝を迎えた時から この物語は、幕を開ける…
ところで、この物語では お読みになる方々に、より リアルに 各々の場面をイメージして、そこで繰り広げられる世界に、ご一緒に入り込んでいただけるように… そして、親しみを込めて その一人一人を見守っていただけるように、主要な登場人物の全てが各々 有名な誰かに似ている、という設定に なっております。
どうぞ、あたかも 豪華な顔ぶれのキャストで制作された映画でも ご覧になっているような おつもりで、臨場感たっぷりに最後迄 お楽しみ下さい。
中には、物語中の 登場人物の年齢と、役者さんの実年齢とに大きな開きがある場合も ございますが、そこの所はキャストの皆さんが素晴らしい演技力で、役に成り切って熱演して下さっていますので、どうぞ ご一緒になって物語の世界に ドップリと浸かり込んで下さい。
そして、是非台詞の一つ一つを、その役者さんの声を思い出しつつ読み進めて行って下さい。
「そんな事、あり得ない!」
なんて思われては、決して駄目です。 …シラけてしまいます。
この物語の映画化に あたって、本当に こんなに素晴らしい豪華な顔ぶれが 喜んで勢揃いをして、そして 一生懸命に演じて下さったんだと、本気で思い込んで下さい。
著者を信じ、本当に それを実行される事により、素晴らしい世界が、あたかも貴方の目の前に、実際に在るかの如く 拡がりそして、実感していただける事を お約束いたします。