ナンテン Nandina domestica Thunb. 南天
本州関東南部より九州、および中国、インドに分布します。
山林中にはえ、庭木、薬用、生花用に栽培されます。
天保14年(1843)の『貞丈雑記』に、「南天を庭に植え置きて常に見れば役を払う、南天には難転と同じ音なので難を転ずるという心で用うる……」とあります。
祝儀で赤飯を配るときに南天の葉を敷くのは今も行われているしきたりだったり、魚類を贈るときにも行われます。
これを”掻敷(かいしき)”といって、南天の葉には食物の変質するのを防ぎ、毒を消す力があるとされています。
生花や鉢植えで正月を祝うのにも用いられ、おめでたい植物の一つです。