ロピのレシピ

アテネの友人から

ペルガモン（ベルガマの古い呼び名）の料理レシピが出版されたよ

という連絡があったので

出版社に連絡をして、本を送ってもらいました。

出版してすぐだと入手がしやすいです。

20日ほどして昨日手元に届きました。

1903年、ベルガマのルム人地区（今のカレ地区）に生まれた少女

名前は、オデッセイアから名づけられて「ペネロピ」といいます。

愛称は「ロピ」

双子の姉アンドロマケとアンティゴネがいたそうです。

ペルガモンの石造りの家には、ブドウと大きなイチジクがあり

夜はアクロポリスの王族と財宝の昔話を聞いて

毎日幸せにくらしていたそうです。

学校のお休みの時には、当時リトルパリと呼ばれていた「スミルナ」（今のイズミル）に行って

可愛らしいお洋服を買ってもらったのだそうです。

少女3姉妹は、ブドウとクルミのお菓子を作り、クローブと蜂蜜でパイを作り、果物のコンポートや、バクラバ、カダイフなどもあったそうです。ペルガモンは四季が美しく、クリスマスはお菓子の季節でした。

村から新鮮な果物やナッツが運ばれてくる秋からお菓子を作っていました。

家は色と香りでいっぱいでした。真っ赤なスイーツ：チェリー、ブドウ、マルメロ、オレンジ、アプリコット、クルミ、イチジク。倉庫は一年中すべての良いものでいっぱいでした。

クリスマスには家の屋根に雪が凍り、子供たちに夢を見せる魔法の結晶を作りました。

家の中では、オーブンが一日中燃え、油、マスチック、および少し砂糖で発酵させたパンを焼きました。

カダイフィはシロップと牛乳が入った特別なものでした。

クルミ入りのヤシの木と、粉砂糖、フレッシュバター、ローストアーモンド入りのチョコレートチップクッキー。

しかし1908年に父は亡くなり、女性4人で暮らします。

ディキリ港からアテネに旅行して、シュリーマンの家に滞在して、当時のギリシャ王女オルガとも会ったということなので

お金持ちの家族だったのかもしれません。

当時のベルガマでは、ルム人（昔から住んでいるギリシャ正教の家族）、アルメニア人、ユダヤ人

少数民族もトルコ人と一緒に共存していました。

この本にも、皆が仲良くくらしていた、とあります。

一回目の試練

しかし、1914年に第一次大戦下、この地区の人々（女性）はディキリ港から

レスボス島に逃げます。（男性は強制労働でトルコ内地へ）

当時ロピは11歳です。

戦争終結後、再びペルガモンに戻ってきます。

家は老朽化していますが、いつでもそこにあります。

彼らはドアを開けて家や庭に再び入り、家の壁は白塗りされ、家具がその場所を見つけました。

木製の家族用テーブルが再び設置されました。

彼らの地所を探しに行きました。川沿いの道は華やかで、そして、地所は再び生き返りました。

彼らはブドウの木を手入れしました。

ルム人は彼らの古いトルコ人の友人を見つけました、そして、関係は以前のように、兄弟であり、友好的なものになりました。彼らは再び一緒に働き始め、何が起こったかを忘れようとして互いに助け合い始めました。

クリスマスまでには、家はきれいになり、新品のように見えました。

電話がかけられ、伝統的なお菓子が作られました。パイが膨らんで、近所はムスクのにおいがしました。

セオドア教会の聖徒は、ひよこ豆を調理するために教会の墓地に大釜を再設置しました。

ルム人、トルコ人、アルメニア人が同じフェスティバルに参加しました。

2回目の試練

1921年　レスボスの伯父が、当時の小アジアの情勢を心配したので

1922年に、ロピのみが、レスボスに行きました。

姉アンティゴネから7通の手紙が届きました。

しかし、小アジアでは希土戦争が勃発。

アタチュルクの軍隊がやってきます。

ベルガマも例外ではありません。

敵国人とされてしまい（もともとのペルガモン人なのに）

皆、難民としてレスボス島へ脱出します。

今のシリア人が大挙して押し寄せているのと似た光景だったでしょう。

ロピも伯父家族もレスボス島で母と姉を待っていました。

ディキリ港まで真夏の暑さの中20キロを歩いて行けずに家に戻ったという知人の連絡を受けました。

ペルガモンからの連絡は少なくなり、「女性たちはゾドホスピビ聖堂に集められ、男性は川に連れていかれた」という連絡が最後でした。

（虐殺されたのだと思われます）

孤児になったロピは、伯父家族と一緒に暮らすことになりました。

家族の思い出の品は、7通の手紙、服2着、写真、そして美しい手書きの料理のレシピノートだったそうです。

1960年になり、ロピはネアスミルナ（アテネ近郊）に移り住みます。

カフェで料理を出すようになったのです。ペルガモンのレシピを使って。

この本を出版したミランダは日曜日の午後に彼女の治療をして、銀製のトレイに入ったギリシャコーヒーと、今まで見たことも味わったこともない完璧な形のジャムが入ったクッキーを食べたそうです。

ロピは店を1996年に閉め、1997年に亡くなりました。

貴重な料理のレシピ

ペルガモンのルムの人達の文化を記録した本は、①1929年に出版されたペルガモン、孤児たちの為にペルガモンの歴史や文化を伝えるための本。②そして1985年のペルガモンの調査をした本。どこに誰が住んでいたのか、詳細な本。

そして、ペルガモンの料理の本が出て、3冊目。

次回は、この古い料理本の内容を見てみたいと思います。

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トルコ ベルガマの古い料理本「ロピのレシピ」

トルコ　ベルガマの古い料理本「ロピのレシピ」