ギリシャ文字で書かれたトルコ語

トルコで観光をしていて時々目にするギリシャ文字の碑文。
19世紀20世紀のものがあって、これらは興味深いのです。
ギリシャ語ではないのです。
 
コンヤの近郊のシッレ村の聖エイレニ教会の文字。
一瞬ギリシャ語だと思って、そうか、ここはギリシャ人が住んでいたんだと思ってしまうのですが、これはトルコ語。PはRです。
昔からアナトリア半島に住んでいるトルコ語を話すギリシャ正教の人たちの教会です。東ローマ帝国からトルコ支配に変わった時に改宗しなかった人たちです。当時国籍というのがあったのかは知りませんが、オスマントルコ帝国の住民です。
 
327: tarihinde bu serrif (şerif) ekklisemizi (kilisemizi) Agia Eleni Mihail Arhangelos ismine kurdu temeli hale (halen) ekklisiamizin (kilisemizin) ützüntü (üçüncü) tamiri Sefketlu Sultan Mahmud efendiniz ihsan eyleti emri Epitropos Sarraf Xa (Hacı) Ilia Oldu tekmil nazırı Mihail Arhangelosun seflatilan (şefaatı ile) hak taale imdad etenlerı ve zahmet çekenlere veri ecri. Sine: 1833: feb: 12 
 
327年に聖エイレニ・ミハイル大天使教会と名付けられました。その後三回目の修理をスルタンマフムトがしました。うんぬんかんぬん、、、、 1833年二月12日
 
今のトルコ語がラテン語表記になったのは、1928年。それまではアラビア語表記、ギリシャ語表記だったようです。
 
特にこのシッレ村のギリシャ正教の住人と、周辺のムスリム住民は仲良く暮らしていたということです。

マリアの泉

エーゲ地方は、現代ギリシャ語を使っていたということですが、ギリシャ語で書かれた碑文とトルコ語をギリシャ文字で書いたものの二通りあります。
 
こちらは、ベルガマのカレ地区にある泉の碑文。
レスボス島に住むストラティスさんが読んで下さいました。
ΜΕΓΑ ΠΑΡΕΣΧΕ ΚΑΛΟΝ ΜΙΧΑΗΛ ΣΟΥΒΑΤΖΗΣ 
ΤΟΙΣ ΠΟΛΙΤΑΙΣ, ΧΡΗΣΤΟΝ ΛΑΒΩΝ ΒΟΗΘΟΝ ΦΙΛΟΝ ΓΑΜΒΡΟΝ ΤΙΦΤΙΚ Τ…[;]. ΗΓΕΙΡΑΝ ΤΟΥΤΗΝ ΤΗΝ ΚΡΗΝΗΝ ΤΗΡΟΥΝΤΕΣ ΑΙΩΝΙΟΝ ΜΝΗΜΗΝ ΤΗΣ ΘΥΓΑΤΡΟΣ ΤΟΥ Ο ΜΕΝ ΚΑΙ ΤΗΣ ΣΥΖΥΓΟΥ ΤΟΥ Ο ΔΕ. ΩΣΤΕ ΘΝΗΤΕ ΟΤΑΝ ΠΙΝΗΣ ΚΑΙ ΔΙΨΑΝ ΞΗΡΑΝ ΚΑΤΑΠΑΥΗΣ ΜΗ ΤΗΝ ΜΑΡΙΑΝ ΠΟΤΕ ΕΝ ΤΑΙΣ ΕΥΧΑΙΣ ΛΗΣΜΟΝΗΣ . 1Η ΑΥΓ. 1906 

内容的には、
ミハイル・スワッチは友人と兄弟ティフティッキと市民への大いなる善行をします。この泉は彼の娘の記念として。あなたがここで暮らしたことを忘れないで。
 
というもので、ギリシャコミュニティの娘マリアが、ムスリムの青年と結婚するので、この地を離れることになり、それを忘れないでという記念碑として作った泉だそうです。
 
1906年の事なので、マリアさんは第一次世界大戦とその後の戦争に巻き込まれずに生き延びたことを祈ります。
 
最後にこれです。
1871 
25 ΣΕΠΤΕΜΒΡΙΟΥ , ΑΝΤΡΕΑΣ ΧΑ. ΙΩΑΝΝΟΥ ΣΤΡΑΤΙΓΟΥ .....

 1871, September 25th ANDREAS HACI IOANOU STRATIGOU

 
この看板の中のXAは、意味がわからなかったのですが
トルコ語のギリシャ表記 XATZH、 ラテン語表記のHACIのことで巡礼者の意味です。
 
当時、ムスリムはメッカへ、キリスト教徒はヨルダン川に洗礼に行くのが
一生に一度の大旅行、聖地巡礼の旅だったようです。 
 
1871年 9月25日 巡礼者イオアニスの息子 アンドレアス・ストラテグ の家
という意味だそうです。
 
ベルガマ市の 1914年の人口が19000人で、 トルコ人1万人 ギリシャ人8000人 300人アルメニア人 700人ユダヤ人が暮らしていました。(1929年の資料なのでギリシャ人アルメニア人、、、となっています)本来は、国籍ではなくて、ギリシャ正教、アルメニア正教、ユダヤ教という意味で教会での括りだったようです。 第一次世界大戦後1919年に6000人が難民になり、3000人が行方不明になりました。
 

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