韓国は今でも瀉血ができる国
なぜ韓国に行ったのかというと、瀉血を体験してみたかったのです。
現在の医療では瀉血の意味はないとされています。一部の鉄を減らす目的のみです。
ですが、古代世界では瀉血が医療のほとんどを占め、外科が力を持っていた19世紀まで瀉血は行われていました。近代の瀉血は量が多く、体力がなくなる一方だったのでは、、、と思うのです。NIHの医学文献検索をかけてみても有効な記述は何一つとしてヒットしません。
では、科学的には全く説明のつかないこの瀉血が、どうして今でも支持されるのか。日本からも瀉血をしに韓国に行く人が多いのです。
一度やってみないことには理解はできないと思ったので、体験してきました。
何か所かを鍼で刺して行きます。ちょっとチクチクしますが、背中は感覚神経が少ないから気にはなりません。そこにカップを付けてポンプで少し陰圧にします。
そこからジワジワと血液が出てきます。
こんな感じって見せてくれました。
腰と背中と肩の4か所から瀉血していました。
肩から出た血はすでに固まっていました。於血という説明でした。
於血というように循環が悪いのか、科学的にいうと凝固成分が多いのか、全くわかりませんが、ところが10日過ぎた今でも肩こりに悩まされることは無くなりました。
診察と瀉血とカッピングと鍼を体験させていただいて、費用は5000円しませんでした。
ガレノスの瀉血方法
「瀉血による治療について」という本でガレノスは、脈拍をみて自然力のつよさがあれば瀉血をしてよいと述べています。しかし、自然力が落ちているとき、瀉血によって落ちるときは禁忌である、幼児や老人、虚弱、気候の悪い時、悪い体液の過剰な時、高熱、下痢、妊婦などは適応しなかったといいます。
そしてガレノスの瀉血は「スシュルタ・サムヒター」(アーユルベーダの外科の本です)のとよく似ていて共通点も多く、サムヒターの瀉血は蛭、吸引、乱刺、刺絡が用いられていて、乱刺してカッピングによる瀉血を行い、瀉血は一度に手のひら一杯にとどめるとなっています。(ガレノス自然生命力 二宮睦雄 著書 から)
蛭と刺絡
イスタンブルのエジプシャンバザールの入り口では蛭を売っています。一匹ペットボトルに入れて飼うのだそうです。キャップを開けて口を皮膚に付けると蛭が血をすって満腹になると自然にはがれるそうです。副鼻腔炎、片頭痛、湿疹、静脈瘤、セルライト、リウマチの痛みに効くと看板に書いてありました。実際に効くのかどうか不明なのと共に体験する勇気もありません。
日本でも刺絡法という少量の瀉血をする方法があります。伝統医学の方法なので今は鍼灸師が方法を知っているようです。爪の近くの井穴(せいけつ)とよばれるツボを刺絡鍼で刺して数滴の血液を出すと、僧帽筋が緩み肩こりがとれるという方法です。
3世代前までは、刺絡は家でお灸と同じようにやっていたようです。
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