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風祭先生の作品紹介(Ⅱ)


先日の記事に引き続き、風祭先生からいただきました版画作品のご紹介。

3、風祭竜二切画版画 「歌舞伎 勧進帳」

技法は、シルクスクリーンでしょうか。先日の「直江兼続公之肖像」は色紙仕立てでしたが、本作品はアクリルのカード立てに収められています。「直江兼続公之肖像」と同様、精緻な表現方法から、危機にある義経主従の緊迫感が伝わってきます。勧進帳を持つ弁慶の凛とした迫力、そして、義経の貴公子ぶりを鮮やかな色彩の衣装に表現されています。

勧進帳(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
源頼朝の怒りを買った源義経一行が、北陸を通って奥州へ逃げる際の加賀国の、安宅の関(石川県小松市)での物語。義経一行は武蔵坊弁慶を先頭に山伏の姿で通り抜けようとする。しかし関守の富樫左衛門の元には既に義経一行が山伏姿であるという情報が届いていた。焼失した東大寺再建のための勧進を行っていると弁慶が言うと、富樫は勧進帳を読んでみるよう命じる。弁慶はたまたま持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げる(勧進帳読上げ)。

なおも疑う富樫は山伏の心得や秘密の呪文について問い正すが、弁慶は淀みなく答える(山伏問答)。富樫は通行を許すが、部下のひとりが義経に疑いをかけた。弁慶は主君の義経を金剛杖で叩き、疑いを晴らす。危機を脱出した一行に、富樫は失礼なことをした、と酒を勧め、弁慶は舞を披露する(延年の舞)。踊りながら義経らを逃がし、弁慶は富樫に目礼し後を急ぎ追いかける(「飛び六方」)。

初期の演出では、富樫は見事に欺かれた凡庸な男として描かれていたという。後にはこれが、弁慶の嘘を見破りながら、その心情を思い騙された振りをする好漢として演じられるようになった。




赤富士のカード。特製のお夏の名刺!も一緒に頂きました。