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風祭竜二さんの『お夏狂乱』

白い壁があって、そこにいつもお軸を掛けています。
このたび、夏らしいのに変えてみました。(って、とっくに盛夏・・過ぎてるんですが)
このお軸は風祭さんから直接ハルが購入した、とても色彩の美しい「切画染め」のお軸です。
明るい色彩が、黒で引き締められ、上品な狂乱です。
タイトルの『お夏』とは、風祭さんのブログ「切画師 風祭竜二の世界」
から引用させていただきました。

姫路の米問屋但馬屋の手代、清十郎には相思相愛の娘がいた。名を、お夏。
彼女は、主人但馬屋の娘で、清十郎とは身分が違い過ぎていた。

身分制度が厳しく生きていた時代のことだけに、掟を破る忍び愛、道ならぬ恋だった。
 ――主人の娘と、その手代の恋物語。

清十郎とお夏。
そんなふたりの仲が許されるはずもなく、やがて花見の夜に清十郎がお夏を連れ出した。
飾磨の港から大坂へと、船に乗り込んで駆け落ちを企てるのだが失敗し、思いあまって但馬屋を傷つけた。

そんな折りも折り、店の金子700両が紛失し、清十郎に嫌疑がかかっていた。
そこには、思いもよらぬ偶然の重なりがあったという。
 ――ふたつの偶然。

そのひとつは、ふたりが駆け落ちして乗り込んだ大坂行きの船が、なにごともなく出航したと思った直後に、トンマな飛脚が郵便袋を積み忘れたために港に引き返した。
そこでふたりの駆け落ちが見つかってしまい、お夏は但馬屋に引き戻される。

もうひとつは、主人九左衛門が700両の置き場所を忘れてしまったばかりに、先ほどの横領の疑い…と。
 
清十郎は、密通と傷害、その上に窃盗の罪まで加えられて刑場の露と消えるのだが、それと知ったお夏は狂乱し、髪振り乱して裸足で城下をさまよい歩いたという。

  向こうを通るは、清十郎じゃあないか。
  笠がよう似た、菅笠が…。
  清十郎殺さば、お夏も殺せ。
                 風祭さんのブログ「切画師 風祭竜二の世界」より転載

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