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井上靖『風林火山』新潮文庫


いわずと知れた現在放送中の大河ドラマ『風林火山』原作。これまでにも二・三回読み返しています。山本勘助の由布姫(諏訪御寮(料)人。武田勝頼の母)への複雑な愛情を描く名品。

大河ドラマとしても近年になく面白く見続けています。

出演者の演技が大仰で演劇ぽく非常に楽しい。というか、市川亀治郎にいたってはほとんど歌舞伎所作!前回の中井貴一の信玄が神経質ぽくて信玄としての存在感が希薄だった-信玄が好きになれなかった-ので、今回の市川亀次郎は正解ではないのでしょうか? それと野外での撮影が多いのかどうか、以前のホームドラマのような狭苦しい間合いの小さな空間での戦闘シーンがどうも手抜きの印象があったのに、今回はそれが今のところ無いのも良いところでしょうか。音楽も良い。
ただ、前回の北条VS上杉関東管領連合軍の「河越(川越)夜戦」のシーン、桶狭間の戦いに並ぶ有名な戦闘でありながら詳しくは知らないので期待をしていましたが映像的にはさらっという感じでした。確かに、あまりこの戦闘シーンに金はかけられませんね。

大河の思い出というと、なんといっても1969年(小学校6年生ですね)の「天と地と」です。原作・海音寺潮五郎、謙信・石坂浩二、信玄・高橋幸治、女性説もある謙信の恋人役(笑)が「おはなはん」の樫山文枝。謙信の少年時代が、中村光輝(今の三代目中村歌昇)です。ちなみに、このときの諏訪御寮人は中村玉緒!
…これは面白かった。この作品をみて信玄よりも謙信のファンになったし、織田信長も徳川家康もこの二人からみれば小物という感じがした…(小学生の雑誌にも、信長は尾張という京に近い地の利というものがあったためというように「川中島ブーム」であったこの頃、しきりに書かれていたものです。確かに信玄の場合、周囲に敵が多すぎました)

さて、次週からは、いよいよ謙信役のGackt出陣ですね!

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ところで、内野さん、トート閣下がエリザベートと本当に結婚するとは思っていませんでした。シシィはお元気なのでしょうか?