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武田泰淳 『富士』 特製愛蔵本(限定212部)


久しぶりの古書ネタです。ただし、そんなに古い書籍ではなく、1972年の刊行。

武田泰淳 『富士』 は、いかにも重厚そうな大作で、舞台が精神病院ということもあって、難解な哲学的な思索を読まされそうな印象があるのですが、読み始めるとこれが意外に面白くさくさくと読み進むことができるのに驚いた覚えがあります。二の足を踏んでおられる方は是非とも読んでみてください。読み始めたら止められない好印象もこの本を購入した理由です。

また、司修さんの銅版画が8葉も入っていて、さらに革の表紙にも司修さんの銅版画表紙という非常に豪華な仕様でありながら、まだまだ定価前後で購入できる、というそんな魅力もあったためです。

同じような感じの本としては、先日、紹介をいたしました、壇さんの『火宅の人』限定本、これも司修さんの銅版画手彩色表紙+オリジナル銅版画一葉という豪華なものです。定価16万円!!!


どちらも、定価より安く購入できます。作品とは直接関係なく、作家の「古書としての」人気のなさなのでしょう。受難の限定本です。バブル期、司修さんの銅版画が入っているということで、若干の高騰があったような雰囲気がありましたが、このところ、また落ち着いて以前の状況に戻っているようです。

1972年中央公論社刊。布装夫婦函入り、さらに外函付。著者肉筆署名入り。