イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

萩尾望都『ポーの一族』


萩尾望都『ポーの一族』です。はじめての少女漫画の記事になります。
この作品は、解説によると、昭和47年(1972年)から昭和51年(1976年)まで別冊少女コミックに連載された、とあります。「吸血鬼」ものとして世評高く、というより名作中の名作とされています。

優れた本邦の吸血鬼作品を読み逃していました。でも、遅ればせながら出会えて幸せです。

以前、レイ・ガートンの『ライヴ・ガールズ』という風俗吸血鬼小説を紹介しましたが、そんなお下劣な吸血鬼ものを読んでいる暇があれば、国内に目を向けるべきでした。

ブラム・ストーカーの作品でイメージが確立した吸血鬼を、現在に蘇らせたのは、何といってもリチャード・マシスン『地球最後の男』、原題(I am Legend)で、1954年です。
この作品は別格としても、吸血鬼ものといったら、やはり、スティーヴン・キングの『呪われた街』(Salem's Lot)1975年とか、アン・ライス『夜明けのバンパイア(インタヴュー・ウィズ・バンパイア)』(Interview With the Vampire)1976年が、著名なところです。
(先ほどの、レイ・ガートンの『ライヴ・ガールズ』もカルト的な名作ですが、1987年の刊行です。これはかなり新しく比較対象にもなにもなりません)

萩尾望都『ポーの一族』は、これらの作品群より早い時期に連載が開始されているのにまず驚きです。キングもアン・ライスも、この作品を参考にしたのではないか、と思わせるくらいです(笑)

アンライスは「娘を亡くした悲しみから…」1973年ころからInterview With the Vampireの執筆をはじめた、と確か書かれていました。でも、わざわざこういうことをいうのも、まさか萩尾望都さんの連載を意識した…とも考えられますね。

この本は借用品で、もうかなりの日数になるのですが、読み始めたのはごく最近です。上の写真の「フラワー・コミックス」版で第二巻を読んでいます。「メリーベルと銀のばら」が収められている巻です。
『ポーの一族』という作品はこのような連作短編集のような形式をとっていて、時系列どおりに必ずしも進みません。(完全な工事中。あとでいろいろ書き足します)