イメージ 1

イメージ 2

限定本・潤一郎六部集から『吉野葛』(Ⅱ)あるいは、

【吉野町上市/妹背山】お盆休みの旅行(第一回)


ご無沙汰しております。8月13日~15日までお盆休みの旅行に行ってまいりました。ブログ仲間と一緒です。
旅行のルートは、大まかにいいますと、

13日: 大阪に集合→「橿原神宮前」駅で他の参加者と合流→二上山の麓にある「當麻寺」
14日: 明日香村周辺並びに「飛鳥寺」「入鹿首塚」→吉野山「金峯山寺・蔵王堂」
15日: 「吉野神宮」→「妹背山」→「法隆寺」→最寄り駅で解散

ただ、猛暑というか酷暑というか、じっくり散策するような元気は各人なし…(笑)
その中でも、いろいろ、書いておかなければならないことはそれなりにありますので、順不同で、数回記事が続きます。第一回目として、忘れないうちに三日目(8月15日)のことに飛びます。

三日目の妹背山は、歌舞伎「妹背山婦女庭訓」で有名な上市にある妹背山です。万葉に詠われる「妹背山」はどうも和歌山にあるようですが、良くわからないです。ただ、どちらも、妹山・背山という二つの山を指すようです。『吉野葛』を読むまでこのどちらも知らなかったという体たらくでしたが…。

実は「妹背山」は私のリクエストで、以前、このブログでも紹介いたしました谷崎潤一郎の『潤一郎六部集・吉野葛』に掲載されている写真とどこでも良いから比較をしてみたくて、吉野山からの帰りにわざわざ立ち寄ってもらいました。

文庫本くらい参考のために持ってくればよかったのですが、忘れてしまい、記憶に残っている「勘」での撮影になりましたが、ほぼ(自己評価…笑…)同じアングルになりました。川原に下りて写真を撮ればもっと雰囲気が出たでしょう…(残念)

写真を比較してもらうとわかるのですが、妹山(左)、背山(右)とも『吉野葛』に挿入された当時(昭和十年代・二枚目の写真)とあまり変わっていません。良く見ると遠景の山々の稜線も全くそのままですね。もちろん、道路は整備されていますし、建物も当然のことながら当時のままとは違い、『吉野葛』にあるような鄙びた情緒はありませんが…。これは嬉しい発見でした。特に妹山は、「忌山」とも呼ばれて山の草木を刈ってはならないという信仰が、今もまだ生き続けているということです。そのためでしょうか、地図に「妹山樹叢」とありましたので、後で調べてみたら小さな山ながら原生林が生い茂る天然記念物「妹山樹叢」という指定をすでに昭和3年に受けていて保護されていたのでした。

(注)ちなみに、妹背山婦女庭訓【いもせやまおんなていきん】のうち、妹山背山の段には、背山の麓に住む久我之助という若君と、妹山の屋敷に住む雛鳥という姫との吉野川を挟んでの悲恋が描かれます。この二人の両家は領地をめぐり対立し、これに暴虐非道の蘇我入鹿が絡んでくるという、日本版の「ロメオとジュリエット」といっても良いというような話とのこと。