川端康成著『古都』の初版本です。昭和37年新潮社刊。川端康成から某氏宛献呈本
私の好きな川端康成作品は『雪国』は別格として、『眠れる美女』『古都』『美しさと哀しみと』の三作です。その中でも、誰の影響なのか、どうも子供の頃から川端康成の最大傑作は『古都』というように、この作品を読まない前から思い込んでいました。
私の好きな川端康成作品は『雪国』は別格として、『眠れる美女』『古都』『美しさと哀しみと』の三作です。その中でも、誰の影響なのか、どうも子供の頃から川端康成の最大傑作は『古都』というように、この作品を読まない前から思い込んでいました。
写真の4枚目は、この本に挟み込まれてた当時の新聞(朝日新聞)の切り抜き。掌編小説です。
(8月16日付記)
Kさんからご質問がありましたように、二枚目の写真は東山魁夷氏の絵「冬の花」です。口絵として掲載されています。
この絵を川端康成氏が所有し、口絵として使用するにいたる経緯が、本書の「あとがき」に書かれています。題名が「冬の花」? どうして?、と誰もが思うのでしょうが、この「冬の花」というのは、『古都』の終章のタイトルで、そこに北山杉の場面が象徴的に描かれています。また、この絵は川端康成氏が病気療養中に東山魁夷氏から文化勲章のお祝いと送られたものであること、それを東山夫妻が病室に持って来てくれたこと、ただ、出版時には東山氏が海外旅行中のため口絵使用の許可をもらってないこと、…について書かれています。
この絵は、しばしば、川端氏が蒐集した名品ということで紹介されることの多い作品です。
また、『古都』には後年刊行された特装版があって、東山魁夷氏直筆絵「光悦垣」装というのがあります。ちなみに、残念ながら私は所有していません(笑)