『死国』や『狗神』以来、久しぶりにこの作者の本を読みました
沢村姉妹さんにご紹介いただいて、ずいぶんとなりますが、ようやく読み終えました。書き出しが若干読みにくいところがあって、慣れるまで時間がかかり何日も放置の状態が続きました。ところが一旦流れに乗ると止められず、一日で読み終えることができました。
沢村姉妹さんにご紹介いただいて、ずいぶんとなりますが、ようやく読み終えました。書き出しが若干読みにくいところがあって、慣れるまで時間がかかり何日も放置の状態が続きました。ところが一旦流れに乗ると止められず、一日で読み終えることができました。
坂東眞砂子さんは、どうも官能作品の名手のような印象があり、本作品も「ふたなり」(『アレキサンドライト』と違い、乳房をもっている)という題材を扱っているということもあって興味を惹かれました。
しかし、一読、印象に残っているのが「山妣」の悲しくも逞しい生き方です。中でも迫力があるのが、題名ともなっている主人公『山妣』の回想シーンとして描かれた第二部「金華銀龍」です。第一部で伝説の鬼女として出てくる「山妣」を、血の通った一人の女性として、壮絶に描いています。
ちなみに、本作品は、第一部「雪舞台」、第二部「金華銀龍」、第三部「獅子山」の三部構成の作品です。