『ミステリアス学園』に大藪春彦作品(本格ではない代表として)について記載があったので、久しぶりに読みたくなって買いました。今日は、新幹線での長い移動中に半分眠って体を休め、あとの時間はこの作品『黒豹の鎮魂歌』を読んでいました。(半分くらい進みました)考えてみれば、氏の作品は『野獣死すべし』『蘇える金狼』『汚れた英雄』など(ただし、代表作と呼ばれるものですが…)はいずれも卓越した忘れえぬ名作になっていますよね。
『黒豹の鎮魂歌』も、写真のように800ページ弱の大作で、ざくっと言ってしまえば、サディスティックな暴力やSEXシーンの連続です。ただ同じようなシーンでも色々趣向が凝らされているので飽きません。たとえば、第一部「復讐のヨーロッパ」では「ブラック・ミサ」という章があって、ある女優が訳あってその生贄にされるという酸鼻を極めたシーンがあるかと思えば、第二部「京葉工業地帯」の「飢えたネズミ」という章では、東京湾第四海堡で主人公に拷問の挙句殺された男が無数の飢えたネズミの大群に死体を衣服もろとも処分されてしまうというシーンがあるなど、昭和40年代の今から思えば懐かしい舞台ではあるものの斬新な小説世界が展開されます。
読み終えていませんが、帯の宣伝に偽りはないのかも…。 それと「溶けたバターのような」という表現、久しぶりでした(笑)