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嶽本野ばら『鱗姫』と嶽本野ばら・文/高橋真琴・絵『うろこひめ』


このところ、ひょんなきっかけで嶽本野ばらさんに嵌ってしまっています。先週に表題の二作を読了したばかりで、まだまだ、これまでの代表作と言われるような作品を手にしておりませんから、感想はもう少し他の作品も読んでからにしようと思います。

ただ、この二作ともにいえること(お話は全く違います。鱗姫は二作ともに出てきますが…)は、著者の「美」というものに対する峻烈なまでのこだわりです。蝶の翅のように美しいものは脆く、醜いもののに侵され易い、そのなかで「耽美」をつらぬこうとする著者の美意識を作品にした、という印象です。単なる、異形の恐怖小説、童話作品を意図したものではないでしょう。

『鱗姫』は怪奇幻想小説です。澁澤さん風のペダントリーな記述もあります。しかしながら、嶽本野ばらさんは(ご本人が、澁澤龍彦『黒魔術の手帖』文春文庫の解説でも書かれていますが…)澁澤さんのように「舌足らず」に「読者を置き去り」にするようなことはありません。せいぜい、Vivienne Westwoodなど小生にとっては「???」というブランド名が一杯出てくるくらいです(笑)こういうのは、ペダントリーとは言わないのでしょうから…といって置いてけぼりでも良いのでしょうか…(`-´メ)

『うろこひめ』は、大人向けの絵本といった少々残酷風味のあるもので、「乙女のカリスマ」嶽本野ばらと「少女画の巨匠」高橋真琴とのコラボレーション。書籍そのものもとても美しく、愛蔵するにふさわしいものです。

うーん、それにしても、著者のサインが欲しい…(って、結局はそれかい!)

2月20日、『鱗姫』の画像を入れ替えました。