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「♪水銀、コバルト、カドミウム…♪」「ゴジラ対ヘドラ」(かえせ!太陽を)


1971年の東宝映画「ゴジラ対ヘドラ」(坂野義光監督)は、ゴジラ映画の中でも異色の傑作でした。何といっても冒頭からの主題歌が凄い。

坂野義光監督に関しては、以下のリンクも参照してください。
http://godzilla3d.com/index.html

「ゴジラ対ヘドラ」(かえせ!太陽を)坂野義光作詩/真鍋理一郎作曲/高田弘編曲。


♪水銀、コバルト、カドミウム
ナマリ、硫酸、オキシダン
シアン、マンガン、バナジウム
クロム、カリュウム、ストロンチュウム
汚れちまった海、汚れちまった空
生きもの皆 いなくなって
野も 山も 黙っちまった
地球の上に 誰も
誰も いなけりゃ 泣くことも出来ない
かえせ かえせ かえせ かえせ
みどりを 青空を かえせ
かえせ かえせ かえせ
青い海を かえせ かえせ かえせ
かえせ かえせ かえせ
命を 太陽を かえせ かえせ かえせ
…♪

中原中也の『汚れちまった悲しみに』ではありませんよ。でも、冗談抜きにそれに匹敵する素晴らしい主題歌です(笑)

***

余談ですが、「すいへいりーべ、ぼくのふね、そーまがーるしっぷすくらーくか…」ってご存知でしょうか? 元素の周期表はこれでOK!(…な、はずはないか…) 「そー」(ソーダ)というのは、つまり、Na(ナトリウム)のことで読み替えが必要なんだけど。

ただ、ここまでですと、辛うじて、歌詞の中にあるものでいえば、カリウム(19)しか含まれていません。それ以外の、バナジウム(23)クロム(24)マンガン(25)コバルト(27)ストロンチウム(38)カドミウム(48)水銀(80)鉛(82)は入っていません。覚え方にも、上の続きがありますが、せいぜい40番まで…。うーん、どうしていたのでしょうか?

(1月29日、20時20分追記)
思い出しました…イオン化傾向の覚え方も面白いです…。
「貸そうかな、まあ、あてにすな、ひどすぎる借金」

大←K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb H Cu Hg Ag Pt Au→小
か(カリウム)、[そう]、か(カルシウム)、な(ナトリウム)、ま(マンガン)、あ(アルミニウム)、あ(亜鉛)、て(鉄)、に(ニッケル)、す(すず)、な(鉛)、ひ(水素)、ど(銅)、す(水銀)、ぎる(銀)、しゃ(白金)、きん(金)

このように、この手の受験用語呂合わせには、歴史年号(「蒸し米で祝う大化の改新」のような…)など文系もの以外にも、理系でも多くあります。
この他一般的なものとしては、「ふなひとはちふたはち…」(eのこと、つまり自然対数の底)「みのうえにしんぱいあーるぞう」(球の体積)「ふじさんろくおーむなく」(…っていうのは、ルート5ですが、何か事件を予感させるような凄さです。もしかして、これがあの教団の語源?)など。

三角関数の加法定理では、たとえば、
sin(α+β)=sinαcosβ+cosαsinβ 
sin(α-β)=sinαcosβ-cosαsinβ
については、「さいた(α+あるいは-β)=さいたαコスモスβ(+あるいは-)コスモスαさいたβ」を、簡単に「さいた、さいたコスモス、コスモスさいた」と覚えておきます。これは綺麗ですが、

cos(α+β)=cosαcosβ-sinαsinβ
cos(α-β)=cosαcosβ+sinαsinβ
という、コサイン系になると、逆に「こす(って)、こす(って)こす(って)、(自己規制)ちんちん」とかちょっとやばくなってきます…(汗)
タンジェントの公式は私の場合は間違いそうでしたので、この二つの公式から必要に応じて導いていました。オイラーの公式を覚えておけば、別に「咲いたコスモス…云々」でもなく導出すれば良い筈なのですが…。

暗記科目かと間違うほどですね…。

しかし、何といっても、この手のもので趣のあるのが、「ひとよひとよにひとみごろ」(「一夜、一夜に、人見頃」?)でしょう…。

***

この主題歌を歌っている麻里圭子さんも出演をしています。いわゆる「サイケ」デリックな感じのボディースーツで、中学生の私は圧倒されました…。 当時の風俗を見ると言う意味でも面白い映画です。

写真はその主題歌の収められたレコード、そして、なんと、ヘドラのフィギュア。アトリエG-1、原型は奥田茂喜、全高30cm弱の大きなモデルです。よく見ると非常に芸術的な怪獣です(ヘドラと言うネーミングから、あるいはその外観から、「適当に作られた」怪獣と思っておられる方が多いと思いますが、実際にはそうではありません。このフィギュアの写真を見て再評価いただければ、と思います。…と思うのは、私だけ…?) 
また、ヘドラは、当時の深刻な公害被害を象徴するように、残虐で強い怪獣です。作中の被害者の数は甚大で、ゴジラも傷つきます。また、自らの力では最終的には倒せませんでしたし、そのため、ゴジラのヘドラに対する怒り(=公害、またそのようなものを生み出した人類に対する怒り)もまた凄まじいものでした。以上、色んな面で、ゴジラのデザインも今ひとつで、見た目は子供向け映画に仕上げにしているものの、今でもカルト的な人気のある映画です。
昨年の「ファイナルゴジラ」でもヘドラは出てきましたが、出番は少なく、あっという間に退治されてしまいました。地球環境もそうであれば、良いのですが…(笑)