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東野圭吾『白夜行』集英社文庫


2006年の最初の読書は、東野圭吾『白夜行』にしました。というのは、本作品の連続TVドラマが今週から始まるということ、そして近年、東野圭吾さんが非常に油ののった活躍をされていますので、気になって是非ともどの作品でも良いから読んでみたかったということもあります。
期待を裏切らぬ素晴らしい作品でした。これ以前に読んだ東野作品は、乱歩賞の『放課後』のみですが、この『放課後』の結末に衝撃を受けた方は(もちろん、「それはないだろう」と思われて以降敬遠された方でも)さらにパワーアップした筆力と大きなスケールのこの作品で、もう一度同じ思いを持たれるかもしれません。連続ドラマの予告編などから予備知識もありますので、作者が仕掛けようとしているトリックの概要は、すぐにわかります。しかしながら、その動機に関しては終盤まで(少なくとも私は)わからなかったので、その緊張感は持続しました。そしてラストの深い余韻。「後味の悪さ」を問題にする人も多分多いだろうなぁ、と思いますが、私はこういうの好きです。

1999年初版。2002年に文庫化。

以下、どうでも良い話ですが一言。

後半、実は私と下の名前(姓は異なりますが)が同じ登場人物が出てくるのです…(笑)
それも、驚くなかれ…、本作品の美しきヒロイン(といって良いのかどうか…)と幸運なことに(というか、どちらかと言えば「愚かにも」でしょうか-汗-)結婚してしまう、という役割を与えられているののです!!! この名前が頻繁に出てきますので、彼に妙な感情移入をしてしまいました…。「騙されるなよっ!」とか…(笑)でも、少しは羨ましいかも…。