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ジョン・マーティン挿画、ミルトン『失楽園』1827年 二冊本(Ⅰ)


有名なマーティンのメゾチントによる挿絵が二十四葉収められた『失楽園』です。挿絵には、二つ折版、四つ折版、八つ折版と種類があります。本書はそのうちの八つ折版です。四つ折版の中にも版画面が小版型のものがあると思われますが、詳細は他の記事と同様に調べながら適宜追加をしていきます。 London Septimus Prowett 1827

所有しているのに実はよくわかっていないので、インターネット等でサーチしながら考えます(汗)
まずは、少なくとも初期の刊行(1824年~1827年頃まで)については、次の四種で、製本をしないシートでの販売と思われます。

(1) Imperial Folio(二つ折) edition, measuring 15 1/4 x 21 3/4 in., and containing lettered proofs of the larger set of engravings; limited to fifty copies(プルーフ版。限定50部)
(2) Imperial Quarto(四つ折) edition, measuring 10 7/8 x 15 1/4 in., with fully lettered prints from the larger set of plates
(3) Imperial Quarto(四つ折) edition, measuring 10 7/8 x 15 1/4 in., containing lettered proofs of the smaller set of engravings: limited to fifty copies (プルーフ版。限定50部)

(4) Imperial Octavo(八つ折) edition, measuring 7 5/8 x 10 7/8 in., containing fully lettered prints from the smaller set of plates

用紙(台紙)のサイズ・発行形態は四種ですが、版画面サイズは、大中二種類ということになります。 つまり、版面としては(1)と(2)、(3)と(4)がそれぞれ同じ。 (1)から(4)はいずれも刊行時のままなのは、古書店カタログでも掲載されていることが稀れなので、別途本文と共に製本されてしまっていると考えられます。一方、私たちが一般に目にすることが多いのは、これらの売り残りを1827年に2冊(または1冊?)に製本してSeptimus Prowettから出版された単行本です。(1)~(4)それぞれを用いた4種があると推定できます。

本書は後者(4)の例です。

前者の例なのかあるいは後者の変形が判断できないのだけれど、私の所有している本で、
MILTON, John. The Poetical Works of John Milton. With a life of the author, by William Hayley. London Printed by W. Bulmer and Co. Shakspeare Printing Office, for John and Josiah Boydell. 1794
という、18世紀末の別の挿絵入りの本があります。いわゆるフォリオ(Folio)サイズの本で、私の持っている本の中では最も大きなものです。このなかの"Paradise Lost"『失楽園』の部分にマーティンの24葉のメゾチントが1824年以降に追加挿入し製本し直されています。版面も大型で上記で言うと(2)のプレートが使用されているということになるのでしょうか。

もちろん、これ以外にマーティン挿画『失楽園』は様々な出版社からリプリントされており、後期の版もありますが、ひとまず、それらは置いておかないと私には手におえません。Septimus Prowett1830年代に倒産し、別出版社に引き継がれているので、まずは、Septimus Prowettからの出版であれば初期の版と言えます。

なお、あとの版になるほど、原版磨耗のため刷り上がりの状態に初期と比べ差があります。これはどの参考書にも書かれていることですが、事実ですので、十分に吟味しての購入が必要です。