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赤江瀑・署名入限定版『マルゴォの杯』異装本2冊 昭和52年


本書は、赤江瀑さんの湯川書房から刊行された初期の限定本ですが、少々厄介な点があり、蒐集の際に注意が必要です。
本書の基本スペックは、
「湯川書房  限定数150部  毛筆署名入り 丸背総革装 二重貼合差込凾」ながら…

1、普通に流通しているものは、別珍(ベルベット)製の「二重貼合差込凾」に入っていて完本です。ところが中に、「送り箱及び題簽付」のものが流通していること。(一枚目の写真を参照-題簽の写真です)

2、別珍製の「二重貼合差込凾」が二種類あること。比較して明るい赤と暗めの赤(ワインレッド)、二重貼の内側の別珍もそれに併せて濃い緑のものとうすい緑の組み合わせになっている。(二枚目の写真を参照-色の比較です)

私の所有している本は、明るい赤の差込凾のものが「送り箱 題簽付」になっていますが、全てがそういう組み合わせなのか、それぞれ何部作成されたのか、どちらが異装なのか等詳細は不明です。某氏のホームページによると、版元も良く覚えていなくて、「詳しくは記憶していないが、材料がなくなるとほかのもので間に合わせたことがある」というエピソードが紹介されています。

三枚目の写真は赤江瀑氏の墨筆署名。
なお、限定本『芙蓉の眠り』にも茶色系統の帙に入ったものと青色系統の帙に入ったものとの二種類があります。

異装本の存在は知識として持っていると不思議に見つかりますし、知らないと思わぬミスをします。

かつて、もう17,8年ほど前になるでしょうか、三島由紀夫の限定本を集めはじめた頃のことです。
私は『黒蜥蜴』について、通常本350部の赤(紅いろ)のバックスキン装天金、と著者本50部の青(紫)のバックスキン装三方金のものしか存在しないものと思い込んでいました。そのために、ある古書店で見せてもらった『黒蜥蜴』の革の色が「桃色」だったのを、馬鹿な私は、古書店主に聞きもせず、本来の赤が色褪せたもの程度に思ってしまったのです。
二重の箱に入っている書籍ですので、そういう痛みがめったにあるはずも無く冷静に考えてみれば良かったのですが…。値段はその当時、6万だったか8万だったか、いわば、普通の値段がついていました。

それ以来、この異装本にはお目にかかっていません…。