ハリー・クラークに続いてイギリスの挿絵画家アーサー・ラッカムの一書を掲載します。
本書『夏の夜の夢』はラッカムの挿絵本の中でも、『ケンジントン公園のピーターパン』、『不思議の国のアリス』などとともに人気の高いものではないでしょうか。落ち着いた色彩で繊細に妖精の世界を描き出しています。
この本は、通常版と豪華版があって、写真はそのうちの豪華版です。1908年刊。限定1,000部。総ヴェラム装で天金。リボンが付いていて結べるようになっています。この種の書物の典型的な造本です。挿絵はオフセットで、カラープレートは一枚一枚茶色の台紙に貼付されています。これが40枚と、さらに白黒のイラストが散りばめられた豪華な美しい書物です。ラッカムの署名入り!
ただし、写真のリボンはオリジナルではなくて付け替えられた新しいものです。(痛みやすいので付け替えられている場合がよくあります)
ラッカムのべラム装署名入の豪華版のなかでは限定部数が多いのですが、これが不思議にカタログには載ってきません。他の豪華版と比べて値段は手ごろではないかと思います。
[RACKHAM, Arthur, illustrator]. SHAKESPEARE, William. A Midsummer-Night's Dream. With Illustrations by Arthur Rackham. London: William Heinemann,1908.
Edition de Luxe. Limited to 1,000 copies (this copy being No.299), numbered and signed by the RACKHAM. Large quarto. 40 color plates mounted on brown paper, with tissue guards, and 30 drawings in black and white. Original vellum over boards pictorially stamped and lettered in gilt on front cover and lettered in gilt on spine. Top edge gilt, others uncut. New silk ties.