私には妹がいる。
正確には、いた。
両親の遅くできた子供で、それはそれは家族総出で猫可愛がり…
兄は大学生になっていたし、私は中学に入ったばかりだった。
自分の子供みたいな気分だった。
3062㌘の可愛い女の子。
歩き始めたのはちょっと遅かったけど、それ以外は元気な普通の子だった。
運動はあまり得意じゃなさそうなちょっとおっとりした女の子。
よくしゃべる子だった。
おままごとが大好きで。
素直で。
すごく目の大きな。
眉毛は少し太かったかな。
髪の毛は栗色でくりくりで。
みつあみすると喜んだ。
2歳半。彼女は突然この世を去った。
事故でもない。
生まれつきどこか悪いところがあったわけじゃない。
でも、突然いなくなった。
木曜の夜、学校から帰ると小さな妹は咳をしていた。
熱が上がった。
金曜の朝病院に行った。
元気で、点滴が打てないから、もう少しぐったりしてから来てくださいと言われ、母は帰ってきた。
夜、また苦しそうに泣いていた。
オレンジジュースが飲みたいね。私が聞いた妹の最後の言葉。
夜間病院に連れていった。
病院に着いた瞬間意識を失った。
救急に運ばれた。
点滴を打たれた。
小さな体に管が、9本。
家族は一睡もしなかった。
土曜日、点滴で体が浮腫みあの可愛い顔が別人のように膨らんでた。
夜9時…
医者から宣告。
もう目をさますことはない、と。
夜中0時を少し過ぎた時、一度も目をさますことなく、あの可愛い声を聞くこともなく。
彼女は帰らぬ人となった。
今でも夢に出る。
あの日を。
鮮明に思い出すことができる。
生きていたら大学生。
きっと美人になっていただろう。
姫はもうすぐ二歳になる。
時々、言いようのない不安に襲われる…
神様がもしいるなら、これ以上私から大事な人を奪わないでください。
私は妹も、旦那も幸せな結婚も失いました。
これで満足いただけませんか?
もし満足いただけないなら、せめて私自身にしてください。
姫以外ならなんでも差し上げますから。
旦那もいらない。再婚なんて出来なくていい。なんなら、私の命も、姫が一人立ちしたら即刻あげてもいいです。
毎朝、毎晩、姫が息をしているか、確認しなかった日はありません。
今日も生きてる。
よかった。と。
姫のいない人生は私にはありません。
姫がいるから私は生きているのです。
もし、姫を奪うつもりなら、例え神でも殺します。
地獄に落ちても守ります。
大切すぎて、時々苦しくて、涙が止まらなくなります。
母は強くもある。
けれど、とてつもなく弱い存在でもあるかもしれない。