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GlassMoon開発チームの悩み

サークルGlassMoonのメンバーによる開発日記です。
主な管理はスクリプト担当の宮藤がします。
あーだこーだ試行錯誤の様子が載るはず。

こんばんは、御月です。
今日は物語の要素について考えます。

要素とは、会話、情景、心理、動作の四つとします。
これらの配分はなかなか難しい問題ではあるのです。

でも、省いたらば作品として成り立たないの?

という疑問がありますね。
ちょっと例を出してみます。



1)会話オンリー

「げ! 寒っ!」
「浸透滅却しまくれば大丈夫だ!」
「んな馬鹿な・・・」
「二人とも置いていかないで~・・・って、ホントだ、寒いねぇ」
「ほら、紅一点も言ってんだろ。いくら天文部だからって、真冬に屋上で観察しなくても良くないか? 寒いんだけど」
「季節は関係ない! 熱いハー
トがあれば!」
「そうだよ~。ほら、見てみて。オーロラだよ~! 私、初めて見たよ~」
「いやいやいや、日本でオーロラとかないだろ・・・って、ええ、マジ!?」
「おおお、感動だ! 熱いハートが奇跡をも起こすんだ!」
「綺麗だねぇ」
「(嘘だろ・・・)」

・・・なんてアホな三人になりました。

しかし、キャラクターが三人。
おそらく学校の屋上で、天文部の活動。
ツッコミ気質の常識人、熱血馬鹿、天然少女・・・がいるとわかる。
誰がどのセリフかもだいたいわかる。
心理描写も書けなくはない。
景色もなんとなく理解できる。
会話だけでも何とかなることがわかります。
長編とかには向きませんが、使い道は広くありそう。


2)会話抜き

また、目が合った。

愛とか恋とかは関係ないことはユキにはわかっていた。
ーーーあのクルクル天パ野郎は私の弱みを探っているのだーーー
ユキは確信していた。

授業をそっちのけてノートに、こっち見るな!と書いてみる。
するとそれを見た佐野は容赦なく、自意識過剰、と書いたノートをチラつかせた。

頭に血が上るのが自分でもわかった。
ノートに文句を書きなぐる。
が、その時佐野が教師の指名で席を立ち、黒板へ向かっていってしまった。
一瞬拍子抜けしたようにシャーペンが止まる。
しかも、もうすぐ自分も当たる番だと気づいて一気に現実に戻された。

これが、午前中の一幕である。


こんな感じにしてみました。
過去を振り返ったような、一歩引いた形の文だと会話無しが似合います。
いえ、過去のことだって会話があっても構わないです、もちろん。

でも現在進行している話だと、どうしても会話の必要性を感じてしまいます。
・・・単なる力量不足かもですが。

心理描写を抜けばもっと淡々とした感じに。



ここまででわかるのは、会話や心理描写は物語にメリハリと勢いをもたらす、ということ。

ただしメリハリに関しては、会話だけでやるならそれなりに工夫が必要です。
つまりはキャラクターの個性とか、口調だとかは被らせてはいけない。

名前を呼ばすなどして混同は避けられるように思えても、同じ個性だと読み手が単調さに飽きる可能性も。名前が出ない場所では順番を追うことになるのでしょうが、これは無意識的に読者の負担です。読者も気づかないくらいわずかでも、いちいち考えて、ストーリーの流れの妨げに。

・・・ですがもちろん、ゲームにおいてはこの限りではありません。
キャラグラフィックのある物なら顔が見えますから。


会話、情景、心理、動作
これらはそれぞれがそれぞれのサポートをしている。そしてそのコラボがひとつの作品です。

じゃあ今度は全部使うとして、配分は?

これも個人差、作品差、ターゲット読者の差などがあります。

個人差は書き手の問題なので置いておくとして。

作品差は作品の重要視される部分が何か、という話です。
『明るく勢いあるストーリー』だと、いちいち景色眺めるよりは、弾む『会話』や意志の強い『心理描写』が優先。
『情緒深いストーリー』や『思慮深い主人公』なら、『心理描写>会話』で構成。
『耽美さ』や『雰囲気重視』なら『情景描写』多めで書いた方がそれっぽい。
ターゲット読者の差で見ると、若年層には『会話』多めで。
壮年に向けるものは『情景描写』多め。

これは若年層が勢いを好むということと、感受性が高い人が多いということ。
落ち着いて考えるより、とにかく引き込んで話を進める方が読みやすいということです。

逆に壮年では読書は落ち着いて読む方が多く、考えながら、雰囲気を楽しみながらじっくり作品に入っていく・・・という人が多いからと考えられます。

もちろん、全員ではないですから一概にそうしなくてはいけないとは言えませんが。


ちなみにゲームは背景やキャラグラフィックの助けがありますので、むしろ情景などガッツリ書くと読みにくくなります。
背景やキャラグラフィック少なめならもちろん必要ですが、それでもないよりは俄然必要なく。


要は読者にどの程度、何を伝えたいかということにつきます。

例でも、ある程度の情報は読者に伝わるように考えてあります。
キャラの人となりを伝えたいのか、そのキャラがいるヒトコマを魅せたいのか。

書くときはそこまで考えられなくても、書いたものを読み返し、作品の雰囲気や方向性に合わせて調整してみるとグッと作品が変わると思います。
あれこれやってみて下さい。

技術向上目指して、会話のみや会話無しの文も作ってみると面白いですよ。

では、長くなりましたが今夜はこの辺で。
皆様が素敵な創作ライフを送れますように。