セリーナの匂い
その後、なにもなく時は過ぎていった。先週、私はセリーナ宅に3回泊まったし、1人の時間がセリーナには必要だろう。比較的、睡眠が少なくても大丈夫な私でも疲れた週だったから、セリーナはもっと疲れただろうな。だから、今週末、セリーナに会って、「今日、家来るつもり?」と聞かれた時、「先週は不摂生な生活だったから今日は帰るよ」と答えた。セリーナはヒドイ顔して笑ってたけど、呆れてたのか、怒ってたのか、よく分からなかった。帰ってほしかったから、安心したのかもしれないけど。どうでもいいけど、まずはセリーナに寝てもらわなきゃ!それから1週間後。私はセリーナを食事にさそった、キタジマ君も一緒に。キタジマ君に私たちのことを言うつもりだったし、セリーナと2人がよかったけど、セリーナが私とふたりきりの空間をもはや気まずいと思ってるかもしれないって思ったから他の人を誘った。ところがどっこい!キタジマ君が、他の女の子も誘っちゃってて…笑。これでまたキタジマ君に私はLの人間だって言える機会を失った。これは、きっとまだ言うなってコトなんだろうな、と思った。この日は、いろいろ企画の発表とかプレッシャーもあって、けっこう疲れてたから、私はいつもより少し砕けた感じだった。そんな私をみてキタジマ君がキタジマ君:つーかカッコよすぎでしょ。レズビアンオーラ、満載じゃん!!!セリーナ:(焦った感じ、呆れ顔で笑ってる)今日の私は反論するパワーもないや。いづれ言うんだし、そういうことにしとこ。私:そう?うらやましいでしょ。セリーナ:大爆笑そんなセリーナの笑い声を聞いて幸せな気分になった。やっぱり、この子の声、好きだな。そんなセリーナちゃん。みんなの前で、私のことを「あおい」って呼び捨てで呼んじゃった。私は驚いて、一瞬硬直してしまったよ。みんなは気づいててスルーしたのか、聞いてないのかよく分からないけど、焦ったーーー。始め私のとなりにはキタジマ君が狙ってる子がいた。そしてセリーナはキタジマ君のとなりに座っていて私の対角線上だった。セリーナが気を効かせて、途中でキタジマ君の狙ってる子と席を替わった。だから、今や私の隣はセリーナだ。なるべくセリーナと話さないようにした。でも、後ろからギュってしたい…。そんな時、一瞬、セリーナの香りがふわっとした。プレゼンの疲労や、自分らしくいられるセリーナとの時間が取れていなかったこと、そんなことが続いて、ついついセリーナの肩に顔をつけてしまった。私:ふぅ…、安心する匂い…(ボソっ)セリーナ:クスクス… わぁ!!!!わ、私、人前でなんてことを!!!みんな酔っ払いだから気にしてないよね…ないよね…分かんない、見てないふりされたのかも。マズイ!これ以上、隣にいたらやばいと思った私は、自主的に席を移動したんだ。そして、お開きのお時間。このまま帰るのはなんかすっきりしないなぁ〜も少しいっしょにいたいな。セリーナが英語で私に話かける。セリーナ:You('re) gonnacome to my place, right?私:ya.情けない私。逆に自分がセリーナにハマっちゃって…。わかってる、わかってるけど、よかった〜まだ避けられてない〜まだいっしょにいてくれる〜うれしよーーー。セリーナの匂いを感じながら、今夜は眠れるんだ、ちなみに、私ってどんな匂いがするんだろう。よくいい匂いするって言われるけど、自分じゃわからない。急に気になる…自分の匂い。