こんにちは。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は久しぶりに訪れたボーボリ庭園のレモンの鉢植えについて書かせていただきます。
イタリアといえばオレンジやレモンに代表される柑橘類が豊富なイメージがあるのですが、中部イタリアでも内陸のフィレンツェは路地栽培で冬越しするのが難しい為、教会の中庭などでみられる耐寒性の比較的強い苦いオレンジ以外伝統的に鉢植え栽培し、冬季はリモナイアと呼ばれる柑橘類専用の冬越し用の建物に運び入れて冬越しさせます。
柑橘類がリモナイアから屋外に出される前のタイミングでボーボリの柑橘類の管理をされている方による説明会がありました。
1時間半を超えるボーボリの柑橘類の歴史、栽培に関するお話でした。
その鉢の形状の話もあり、メディチ家時代の鉢は写真の様に今我々が一般的に見るものより幅広で、ハプスブルクの某系のロレーヌ公に管理が移ってから、鉢の形がオーナーの好みに合わせて今我々がよく目にするバランスのフォルムに変えられてしまったそうです。それを少しづつメディチ家型に戻す試みを続けているそうです。
それは長い柑橘類のコレクションと栽培実績で培われたメディチ家型の鉢の形状が柑橘類の根の張り方の性質に適しているからだそうです。
ただ全部で800鉢を替える予算も人でも足りないとおっしゃっていました。
鉢は大聖堂のクーポラの屋根と同じくインプルネータという昔から上質で丈夫なテラコッタに産地で有名な町の工房に依頼しているそうです。
夏場の仕事時間は朝6時から午後3時迄で朝の気温が上がる前の9時までに手入れを行わなくてはならず専門家は二人だけなので人手不足でもあると話しておられました。
夏場広大なボーボリのあちこちに配置された鉢の手入れはさぞ大変だろうなと思いましたが、自宅でも60鉢栽培しているそうです。
とてつもない情熱に感心しました。
ゴールデンウィーク以降日中は気温がかなりあがるので、庭園の散策のベストタイミングは午前中です。
最近修復が終わった椿園も見学し、芝の間からさまざまな花が咲き誇る光景を眺め、池の鴨や木陰から顔をのぞかせるリスを見つけ、小鳥の囀りを聞き、気持ち良いひと時を過ごして庭園を後にしました。
(芝の間からデージー、アネモネやムスカリなどが咲き乱れています)
ボーボリの広大な芝が最も美しい時期です。
柑橘類の鉢が屋外に置かれるのは4月下旬です。
皆様がフィレンツェにお越しくださることを楽しみにしております。
(ウフィツィ美術館とピッティ宮殿、ボーボリ庭園はコンビネーションチケットPassePartout5Day38€がおすすめです。)
私はフィレンツェを拠点に活動している、イタリア政府公認観光ガイドです。美術館案内に街歩き、ワイナリー訪問など、プライベートファイドも承っておりますので是非、下記のホームページからお気軽にお問い合わせ下さいませ。
皆様のお越しをお待ちしております。