シニョーリア広場のダビデ像の顛末 | フィレンツェ暮らしアレコレ

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こんにちは

3/6に投稿した黒い布で覆われたダヴィデ像のその後の意外な顛末を書かせていただきます。

 ロシアによるウクライナ侵攻で起きた戦争の抗議表明として、シニョーリア広場のダヴィデ像に黒い覆いをかける決定をしたのはフィレンツェ市長で、 ウッフィツィの館長はこの行為に抗議していたそうです。

 そして金曜日の20時頃、フィレンツェ在住チェコ人Vaclav Pisvejcvによってこの布が放火され、覆いの炎はあっという間に燃え広がったものの、シニョーリアのロッジアの警備員などが直ぐに火のついた布をダヴィデ像から引き剥がし、男も直ちに取り押さえられました。

 けれど、彫刻は黒い布の炎のダメージを受けており、修復(黒い染料を使った布の焼け焦げのシミ除去の為の特殊な洗浄など)に15000€もかかるそうです。

 この男は、2018年にパフォーマンスアーティストの、マリーナ・アブラモヴィッチさん

をとつぜんなぐったり、1年前には、大聖堂近くの侵入禁止の道路表示をプーチンと書いた表示に置き換え、この事件を起こす少し前にもシニョーリア広場に設置されているフランチェスコ・ヴェッツォーリ作仁王立ちのライオンの像をウクライナカラーにペインティングするなどかなりの前科があったそうです。



 拘束するほどの重罪を犯したわけではないので野放しだったのだと思うのですが、この状況は性犯罪やストーカー問題にも当てはまりそうな気がします。

 数年前にもオランダのサッカーファンがローマのベルニーニ親子が製作した噴水を酔っ払って破損させる事件がありましたが、芸術の都を守るには一定のモラルと、守れない人には刑罰を重くする抑止力が必要なのではないかと思いました。


今回の事件に関して、黒い布を掛けていなければ犯罪のターゲットにならなかったのではと思うと残念でなりません。


 今日散歩に行った公園はスモモ洋梨などの木と思われる花が満開でした。風もあって結構肌寒かったのですが、子供の誕生日パーティーや、父親と子供たちがサッカーをしたり、シートを広げてピクニック感覚で楽しく時間を過ごす家族やグループ、カップルで賑わっていました。