”大阪市立美術館付設美術研究所が、存続の危機です”を知って | フィレンツェ暮らしアレコレ

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フィレンツェの中心街から郊外に移り住んでマッタリのんびり?
そんな日々の生活の中で気付いたこと感じたことなど

こんにちは。
全く過ぎてしまったことで、ニュースではないのですが、美術展の記事を書いていて初めて知ったので今更ですが、書かせていただきます。

地味だけれど、大阪の文芸擁護活動の伝統が受け継がれていることを嬉しく、ありがたく感じて通っていました。文化の秋を前に残念なことが起きていたとは...

 維新が政権を握った頃には既にフィレンツェだったので、家族から美術館を潰す様な話が出たりして経済効率優先で文化芸術に対する価値観が欠如した政策で危機感があると聞かされていていたのですが、大規模な展示会が相次ぎ開催されているのでそんなこともないと思っていたのですけれど、残念です。
 (維新とはよく言ったもので、日本文化の伝統に決定的なダメージを与えたのは明治維新)

 創作活動の公的援助では有りませんが、文化事業として、EUは国立の美術館や遺跡公園などはEU市民は18歳以下は無料、学生は26歳までは無料です。イタリアの国立の施設は月1無料の日もあります。フィレンツェ市や他の多くの自治体も市立や県立の施設は地元民に対する無料入館日の制度や庭園の無料開放が実施されています。美術館によっては子供用のオーディオガイドがあり、子供用のガイディングツアーも企画されています。
 子供の頃からしっかり文化に触れてもらい、立派な文化人として成長してほしいという社会の配慮だと思います。
 とは言っても家庭環境の影響は大きく、周りにいる大人や友人が興味がなければせっかく素敵なものが見放題なのに足を運ばずゲームばかりして過ごしているティーンエイジャーは多い様ですが、観光客の少ないこの1年、美術館で高校生位の年頃の子たちが友達同士で見学しているすがたが結構目につきました。
 日本は、学校教育のカリキュラムで美術があるのは素晴らしいけれど、美術館も学校の一部という位置づけで国民に対して学生無料はできないものかなと思います。 
 経済的に成功された方や貴族階級が文化を引っ張って、芸術家や文化人に仕事を与えたり教育の機会を与えて育てていく文化とは別に、世界の中で稀に長い平和を享受して、高い識字率だった日本は身分制度があったために、武士や貴族とは別に、早くから一般市民自体がクライアントになって独自の文化を形成していくヨーロッパには無い大衆文化のジャンルが成熟していたのに、(それが今のゲームに当たるのかも)戦後、バブル崩壊後と、社会の文化意識の低下に拍車がかかっているようで残念です。

(フィレンツェでは紅葉する木は少ないけれど真っ赤に紅葉する蔦は彼方此方で見かけます)