<18th Jun Tue>

日本ちょうど40年前、私は日本を発ちました。南回りでたしか5ケ所に止まりながら40時間掛かり、道中色々あって、やっとイギリスに着いたという感じでしたがイギリス、あれから世界は狭くなって日本も近くなり、飛行機代も安くなったし、気軽に行けるようになったものだと、遠い目。

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6月12日、グラインドボーン・オペラに行きました。

 

日本からいらしたN子さんとご一緒するためで、演目のチョイスはマスネのサンドリオン(=シンデレラ)もしくはセヴィリアの理髪師でしたが、迷わず後者を強くお勧め(→こちら)。

 

セヴィリアの理髪師はおそらく今迄で一番観た回数が多いオペラの一つですが、歌手が上手であれば何度聴いても飽きることはないのに対し、一度だけ聴いたことあるサンドリオンは退屈だったし、なんと言っても主役がダニエル・デニースなので聴きたくないです。

 

しかも、セヴィリアの出演者の中で是非また聴きたい人がいたので、会員である友人にゲットして頂いた前から2列目の真ん中という良い席を奮発して(220ポンド叫び)、楽しみにしてました口笛

 

美容院 Il barbiere di Siviglia

Conductor Rafael Payare

Director Annabel Arden

Revival Director Sinéad O’Neill

Designer Joanna Parker

Director of Movement Toby Sedgwick

Lighting Designer James Farncombe

London Philharmonic Orchestra

 

カラオケCast

Fiorello Harry Thatcher

Count Almaviva Levy Sekgapane

Figaro Andrey Zhilikhovsky

Rosina Hera Hyesang Park

Dr Bartolo Alessandro Corbelli

Berta Janis Kelly

 

はい、お目当てはこの南アフリカ人のテノール君、レヴィ・セクガパーネ。去年、ヴィースバーデンの愛の妙薬(→こちら)とロッシーニ・フェスティバルのアディナ(→こちら)で聴いて、軽やかで明るい声に惚れてしまいました。

この日も期待を裏切らず、ちょっと鼻に掛かった甘くてよく転がるロッシーニ歌いの見本のような歌声にうっとりだったし、背丈もあって表情豊かでチャーミングなレヴィ君でした。

最後の大アリアを歌ってくれなかったのは残念でしたが・・。   

レジーナ役はHera Hyesang Parkという韓国人ソプラノ。ヘラ嬢はメトのLindemann Young Artist Development Programに最近属してたようで、細過ぎない美声で素質は充分。写真だとそうは見えないでしょうが、松田聖子を丸顔にしたような雰囲気と東洋人特有の卑猥さ(平たい胸でドレスがずり落ちそうだからではなく)で美人ではないけど拗ねた表情が可愛い。

 

黒人の伯爵と東洋人のレジーナという異色のカップルでしたが、一見ちぐはぐなようで不思議なケミストリーがあり、この二人のおかげでとても楽しめましたラブラブ

床屋のフィガロはモルドヴァ出身のAndrey Zhilikhovsky。 上手なバリトンは履いて捨てるほどいるので、このアンドレイ君も充分合格でしたが、ま、可もなく不可もなくってところ。 

ビックリマークそれよりも、写真で見ると先回のフィガロは、4月にアムステルダムのタンホイザーで気に入ったBjörn Bürger(ビョルン・ブルガー)だったみたいで、いやー、彼で観たかったわあ。今年はここの魔笛のパパゲーノで、プロムスにも来てくれるので、それは楽しみだけ。

 

バルトロ親父と女中のベルタには知名度のあるベテランを配して贅沢なキャスト。

アレッサンドロ・コルベッリは、この役で何度も何度も聴いたので新鮮味ゼロですが、声に一時の勢いはなくなったとは言え、いまだに良い味出してて、初めて観る人には面白いでしょうし、ジャニス・ケリーおばさんはいまだに立派な声量でまだまだ健在。バジリオ音楽教師は目が笑ってないのが駄目。

 

 

おハイソで緑の中にあるイギリスらしいグラインドボーン・オペラの様子は前の記事でご覧下さい(→こちら)。今回はお天気がイマイチだったのが残念ですが、着物で行きました。