<24th Mar Sun>

今シーズン、ROHがオペラ界で注目される唯一のオペラ、運命の力La forza del destino無事始まり、ネトレプコとカウフマンがキャンセルせずに揃って出てくれたのは目出度い限りお祝い

 

 

どんな内容かと言うと、題名通り、運命に翻弄される恋人同士と彼女のお兄さんの悲劇で、駆け落ちしようとした貴族の娘レオノーラと恋人ドン・アルヴァロが彼女の父親に見つかり、拳銃が暴発して父親が死亡、散り散りになって逃げる二人を家の名誉を汚した恨みで執拗に追う兄、教会の計らいで一人で隠遁生活を送る彼女と聖職者となったアルヴァロが偶然再会するが、決闘に負けて死に掛けてる兄が妹を殺す、というドラマチックな展開。恋人同士はほとんど離れているので絡みがうんと少ないというオペラらしくない構成で、ドラマの柱は戦場でお互いの正体を知らずに友情を育むが敵とわかって決闘したい兄と避けようとするアルヴァロの葛藤。

 

2キャスト10公演のうちカウフマン7回/ネトレプコの夫3回、ネトレプコ5回/ュドミラ・モナスティルスカ5回で、全ての組み合わせがあり、そのうちカウフマンとネトレプコ共演は4回。行けない日が多いのですが、おそらくあと2回の予定。 

 

まず、3月21日の初日と2回目の今日、舞台横のストールサークルで左右から一回づつ鑑賞しましたが、噂の段階からだと1年以上も待った甲斐のある超一流のパフォーマンスで、大スターの存在感と歌唱力を堪能しました。テジエもフルラネットもコルベッリも素晴らしく、ジプシー女のメゾソプラノだけ明らかに格下でしたが、ROHでこれだけ揃うのは稀ですから、久し振りに超一流を聴けたという満足感あり。 中でもネトレプコの凄まじさったらびっくり。 今日はオーケストラストールのほとんどの人がスタンディングオベーションしてました。これもROHでは珍しいこと。

 

尚、前回ROHでやったのは2004年秋で、故サルバトーレ・リチトラとヴィオレッタ・ウルマーナでしたが、ブログを始める前だし、あまり覚えてません。

La forza del destino

 

Music Giuseppe Verdi 

Libretto Francesco Maria Piave 

Original director Christof Loy 

Associate director Georg Zlabinger

Designer Christian Schmidt

Associate set designer Federico Pacher

Lighting designer Olaf Winter

Choreographer Otto Pichler

 

Conductor Antonio Pappano
Leonora Anna Netrebko
Don Alvaro Jonas Kaufmann
Don Carlo di Vargas Ludovic Tézier
Padre Guardiano Ferruccio Furlanetto
Fra Melitone Alessandro Corbelli
Preziosilla Veronica Simeoni
Marquis of Calatrava Robert Lloyd
Curra Roberta Alexander
Alcalde Michael Mofidian
Maestro Trabuco Carlo Bosi
 

初日のカーテンコールでちょっとブーイングされたプロダクション・チーム。つまらないからでしょうが、シンプルで邪魔にならないセットなので私は気になりません。

プロダクションも加味すると4ツ星になっちゃうケースもあるのでしょうが、パフォーマンスだけなら文句なく5ツ星(クリックで記事に飛びます)。

The Stage ★★★★★
The Times (£) ★★★★★
Financial Times ★★★★★
Bachtrack ★★★★★
The Jewish Chronicle ★★★★★
musicOMH ★★★★
The Guardian ★★★★
The Telegraph ★★★★
The Independent ★★★★
Broadway World ★★★★
Culture Whisper ★★★★
Londonist ★★★★
The Arts Desk ★★★
New York Times (no stars, positive)

 

写真は下にまとめておきますが、初日にカウフマンが持ってるブーケ1赤いバラの花束は客席からファンの日本人女性から投げられたもの。舞台のひさしに引っ掛かったのをカウフマンが拾ってくれて、嬉しそうに大事に抱えてました。ちょっと太めになったカウフマンの体型が隠れる修道士のダークな衣装に赤いバラがよく似合ってました。
体型と言えば、ネトコちゃんは相変わらずのボリュームだし、びっくりしたのはテジエの肥満ぶりブタガーン。 おかげでカウフマンがほっそり見えたのですが、要するに主役3人とも太目ゲラゲラ。ま、オペラですから、いいことにしましょう。 でも、テジエがROHと和解できてよかったし、あらためて彼がいかに上手かがわかったので、デブでもいいからもっと出て下さいね(オテロでもカウフマンと共演して欲しかったわねむっ)。
 
ところで、カウフマンとネトコちゃんがROHで共演したのはこれが初めてではなく、実は2008年に椿姫で一緒に出てるんです。その時の記事は→こちらと→こちらですが、二人ともほっそりして文句なしの美男美女でしたよラブラブ。既にネトコちゃんは大スターでしたが、カウフマンはまだこれからというところで格差のある共演でした。