第179回「新音大生の皆様へ〜授業の取り方はよく考えて!〜」 | 打楽器奏者・嶋崎雄斗のプレイヤー日記~折れない心と折れていくスティック~

打楽器奏者・嶋崎雄斗のプレイヤー日記~折れない心と折れていくスティック~

打楽器の豆知識から日々の音楽ネタまで、大好評連載中。

公式ホームページ
→ 嶋崎雄斗 official web site

※ホームページからお問い合わせやご連絡をいただいておりますが、おそらく迷惑メール設定によりこちらからお返事が送れない方が増えています。返事がない場合は設定をご確認の上、再度ご連絡いただけると幸いです。
















この春から音大生になった皆様、ご入学おめでとうございます!!!



いや、俺にもあったね、そんな時。

もう10年以上も前になると当時の気持ちもやや薄れているが、とにかく音楽が勉強できる楽しみを胸にワクワクしながら大学へ向かったことは覚えている。

どうか4年間、楽しい音楽ライフを!





この記事では音大の授業についてこれまでほとんど触れていなかったが、既に自分の生徒も何人か音大生や卒業生にいる今、音大生がこれから単位を取るに当たって是非注意してほしいことを書いてみたいと思う。

まあ個人的な見解になるのでその辺はご了承を!









①語学の選択は英語が無難

学科にもよるが大抵は語学が選択になっている音大。英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語と、音楽に関係性の深い国の言葉を自分で選んで授業が受けられるのは嬉しいことだ。

が、ここで何も考えずに「英語は高校までやったしせっかくだから別の外国語やってみよ〜」とドイツ語などを選択し、3年生くらいになって「なぜあの時の俺ドイツ語を選択した…」と涙する音大生は結構多い。これマジで。

もちろんドイツやフランスの歌曲をメインで歌いたい声楽の方や、既にヨーロッパへの留学を見据えている方が目的に見合った語学を選択するのは良い。というか素晴らしい。

ただ、「英語が苦手だったから」「つまらないから」「今更いらない」などの理由で英語以外を取ろうとしているそこのあなた!

ずっとやってきた英語でさえちゃんと覚えてないのに、簡単に他の外国語なんかできません!

逆に音大の英語の授業は普通大学よりもレベルが低めに設定してあることが多いので、勉強が苦手な人でも単位は取りやすいはずだ。

高校で使った辞書や単語帳なんかも持っているだろうし、まずは迷ったら英語を選択することをオススメしておく。

ちなみに英語が必修でもう1ヶ国語が選択の場合は…どの外国語が取りやすいか先輩たちにご相談を。







②4年生になった時に授業が楽になるよう早めに計算を

一般的な大学でも4年生は就活でバタバタ。それは音大生だって一緒!

音大に入りたての頃から一般企業への就職を目指している方は少ない(大抵はフリーの音楽家やプロオケor吹奏楽へ入団志望のはず)と思うが、就職以外にも4年生になると様々なことに時間を追われることになる。

例えば…

・大学院や留学など進学するための書類準備、勉強、課題曲の練習

・プロ演奏団体や音楽隊やアンサンブル団体へ入団するためのオーディション

・フリーランスとして演奏を続けるためのコンサート出演や仕事依頼の確保

・レッスン教室設立の準備や各音楽教室で講師になるための面接


他にもコンクールを受けたり、学校などへ指導に行ったり、慌ててパソコンを覚え始めたり、どうやって生きて行くか瞑想したり…自分の進路が本格的に固まっていくと共に十人十色の時間の使い方をすることになる。

そんな時に「単位が足りなくて毎日大学で授業!」という状態はかなり大変だし、卒業後の活動にも大きく響くことになる。そして逆に4年生の時に授業数を少なくできると、卒業後のための準備をする時間がたっぷり確保できる。

1〜2年生のうちから先を見越した単位の取り方を心がけたい。








③教職免許の取得はよく考えて

大学を卒業後、学校で音楽の先生になる人も多い。と言っても最初から先生になりたくて大学に入った方よりも、各自様々な理由により大学の途中から先生という職を目指す方がほとんどのように思える。

そこでどこの大学でも「とりあえず将来の心配を減らすために教職免許を」と勧めて来る。大学側としては生徒が路頭に迷わないため、そして進路状況を良くするための当然の配慮だ。

しかし、ここで考えてほしいのがやはり時間の使い方。音大の授業やレッスンに加え、「教職免許を取るための授業」と「教育実習や介護体験などの外部訪問」がプラスされることは覚悟してほしい。

特に、演奏家になりたい、あるいは教室を開きたい、など強く将来への意思を持っているならば、「教職免許を取るための時間を練習や音楽のための勉強に使いたいのではないか?」「万が一にも学校の先生になる可能性があるか?」

この2点、よく考えてみよう。

ただし、高校の音楽コースや音楽科などで講師をする場合には教職免許が必要なことも多いので、その辺りも考慮してほしい。また、学校へ外部講師として指導に行くのに教職免許は必要ない。

とりあえず、ではなく、きちんと自分で理由を持って教職免許を取得してほしい。









以上3つ!参考になれば嬉しいです〜。



まあ、よく考えても後々やりたいことが変わったりすることもあるんだけどね。

とにかく単位は落とさないよう気をつけてw

それぞれの進路に向かって、練習も授業もファイトー!!(=゚ω゚)ノ