長井秀和 が「こいつがいるから戦争が終わらないんだ。間違いない!」ってコマーシャルしていて、芸能人がプロモーションしてる映画は引いちゃうなーと思いつつも、武器商人の映画だというので観に行ってきました。
監督はアンドリュー・ニコル、実に他の映画を知らないのが残念ですが、ちょっと前に公開されたトム・ハンクス主演の「ターミナル
」の原作と総指揮、「シモーヌ
」では監督をしている人なのだそうです。「ターミナル
」は見逃しちゃったんだよな。「トゥルーマン・ショー
」も脚本・製作なのだそうで、このテーマにはちょっと通じるものがあるのかもしれません。
パンフレットは映画を見る前には読まないようにしていますが、今回特にそれでよかったと思ったのは、テレビCMや予告のしめすブラックな笑いからは程遠いところにテーマが置かれていたからです。その意外性もメッセージを心に伝える一つの方法なのだとすれば、非常に功を奏しているといえるでしょう。
武器商人ユーリー・オルロフが冒頭に人好きのする笑顔とともに吐き出す台詞「残る課題は一人一丁の世界」、そしてその困ったような眉、ビジネススーツ。当初この映画が「アメリカン★ビジネス」という邦題だったのがなぜなのか良くわかります。
ユーリー個人にとって武器の売買は隠しきれぬ才能であり、また単に仕事なのです。でも公開時の邦題は原題をカタカナにした「ロード・オブ・ウォー」。戦神。敵味方どちらの勢力にも請われるままに武器を売り与え、自らは一切手を汚すことなく戦争と殺人、残虐性に油を注いでいる様を見事に言葉にしているのではないでしょうか。
きっと他の俳優さんでは重さだけが残ってしまう映画になっていたと思います。メッセージを余すことなく伝え、後味のしつこくない作品になっているのは、ひとえにニコラス・ケイジのおかげではないでしょうか。
またオープニングこそミニシアター受けしそうな3Dビューで酔いそうになりましたが、映像がハリウッド・クオリティだったことも、反戦映画の一言で片付けられるものにしなかった一つの理由だと思います。
武器商人ユーリー・オルロフを演じたニコラス・ケイジは、「フェイス・オフ
」と「シティ・オブ・エンジェル
」で知っていますが、なんとも両極端な二つを観ていたものです。前者では悪役、後者では天使ですものね。いや毛深い天使でした。
そしてもう一人出てくる武器商人が、なんと(ザ)「ロード・オブ・ザ・リング
」(ス)のイアン・ホルム。ビルボ・バギンズの人です。びっくり。気の良いホビットの表情なんか全然なかったので驚きました。
「ロード・オブ・ウォー」公式サイト は、本編の重要シーンをいくつか抜き出してムービーで流しているので、事前にネタバレを見たくない人にはオススメできません(ニコラスの眉毛は感情のバロメーター だけは見てほしい!)が、中年宣伝マンさんがブログ で舞台裏を少し見せてくださっていて非常に興味深い内容でした。こちらは見た人見てない人どちらにもオススメできます。


