前回に続き、相変わらず子宮内膜症の治療法が定まらない中、初めての病院に紹介状を書いて頂き行ってみたところ、「ディナゲストが嫌ならGnRHアナログ*はどうか」との方向に話が進みました。

*GnRHアゴニストとGnRHアンタゴニストの2種類に別れ、最終的な着地点は一緒 (卵巣機能を抑えること) ですが、どのようにそこにたどり着くかが異なります。

 

GnRHアゴニストにはゴセレリン(ゾラデックス)やリュープロレリン(リュープリン)などがあり、これらは乳がんの標準治療にも含まれており、一時的に卵巣機能を抑制することによって体内のエストロゲンを下げる効果があります。

 

婦人科の場合は投与する量や期間が乳がん治療とは異なり、最長6ヶ月間までとのこと。

ちなみにGnRHアゴニストの作用は、まず卵巣を過剰に刺激することによって「ストップ」のシグナルを送らせるそうで、それによって投与開始から3週間ほどは逆にエストロゲンが増えるため、ごく稀ではあるそうですが、それで卵巣のう腫が増大してその期間中に破裂することも可能性としてはあるそうです。(ちょっと怖いですが、とりあえずリスクは全部知っておきたいのでありがたい情報でした。)

 

副作用では骨密度が下がることを先生は何より懸念されていて、私が「6ヶ月間投与して、その後また卵巣のう腫が大きくなってしまったら、そこでまた6ヶ月治療するのですか?」と尋ねたところ、「(骨密度の心配があるので)できればあんまり頻繁に投与するものではない」とのことでした。

 

そして先生から、「今は経口薬も出ているので、まずはこれを飲んで様子を見てみますか?リュープリンやゾラデックスと同じものです」とレルゴリクス(レルミナ)を紹介され、本当にリュープリンとゾラデックスと同じなら乳がんでも安全なはずだし、と思って同意して、院内処方で処方箋を書いていただきました。

 

…のですが。

 

お薬を待っている間に、パンフレットを読んだりネットで調べたりしていると、まず厳密にいうとレルミナはGnRHアゴニストではなく、GnRHアンタゴニストだと発覚。「同じと言われたのに違う」という点で少々不安を感じましたが、それよりもっと「え…」と思ったのが、世界で初めて承認されたのが2019年に日本で、との情報。ついこの間ではないですか(!)。

とはいえ、前立腺がん治療に今とても期待を持たれているみたいで(アメリカでは2020年12月に進行性前立腺がんを対象に承認)、ゾラデックスやリュープリンも前立腺がんの治療に使われるものなので、この時点では「やっぱりやめる」とまでの不安はありませんでした。

 

そんな戸惑いが募る中、お薬の準備ができたので窓口に受け取りに行き、「タモキシフェンとの相互作用などはありますか?」といつもどおりお尋ねしたところ(普通の痛み止めなど「まあ、ないでしょうね」と思うものでも必ず一応聞くようにしています)、「調べてみますね」とPCをカタカタしてから、なんだかざわつきだし…(笑)

 

裏にいたベテランと思われる少し年上の薬剤師さんが出てきて、その時の会話が:

– タモキシフェンはいつもこちらの病院で処方されてますか?

– いえ、違います、この病院は今日が初めてで
– あ、じゃあ普段は別の病院で治療されていて、今日の医師にタモキシフェンを飲まれてることは伝えてなかったということでよろしいですか?

– いや、ちゃんと伝えてあります

 

との流れでした。

 

この時点でもう「あるんですね、相互作用」と察しましたが(笑)、「医師と電話で確認を取りますのでもうしばらくお待ち下さい」とのことで端に寄って待機していると、「…でも、先生がこう書いてるってことは、いいってこと?なのかな…」とゴニョゴニョと薬剤師さんたちが相談しあっているのが耳に入り(笑)、明らかに「論理上はダメ」っぽい空気が…(?)。

 

その後間もなくして、先生と確認を取った薬剤師さんから「タモキシフェンと併用すると、こちらのお薬(レルミナ)の効果が少し弱まってまうことはあります」との説明があり、「タモキシフェンの効果が弱まることはないということですか?」と聞き返したところ、「えっと…ですから」と全く同じことを繰り返し言われ答えになっておらず(笑)、最終的に「ですので、相互作用はあります」とのことでした。(ちなみに、それでも先生からOKは出ていたようです。)

 

結局、お薬は頂いて帰りましたが、個人的にはちょっとNGで、飲んでいません。

 

ぱっと調べたところCYP3A4と関係する相互作用のようで、タモキシフェンと併用するとレルミナの血中濃度が上がる(?)ようですが、薬効にどう影響するかなど具体的な情報は見当たらず…

薬剤師さんのリアクションを見ただけで十分だったので、今回はあまり念入りに調べなかったというのもあり。

 

いずれにしても薬自体が新しすぎてタモキシフェンとの併用に関しては、もちろんのこと何ひとつ見つからず、エビデンスがなさすぎて未知の世界となってしまうので、とりあえず私は現状キープを選択しました。

なぜ最初からゾラデックスにならないのかが謎ですが、皮下注射だからQOLや身体への負担(&経済的な負担?)を考慮してくださってるのでしょうか?今は自覚する限り症状は落ち着いているので、悪化するようならゾラデックス(あるいは手術←卵巣がんの有無は手術して生検をしないと確実には分からないので)を検討しようと思います。

 

払ってしまった薬代がもったいないですが、天秤にかかるものが命と思うと…

 

具体的な情報があまりなくて申し訳ないですが、これでもどなたかの参考になるようであれば。

 


出典

 

 

 

FDAのレルゴリクス(商品名Orgovyx)に関する資料(英語)

https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2020/214621s000lbl.pdf

 

欧州医薬品庁のOrgovyxに関する資料(英語)

https://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/orgovyx-epar-product-information_en.pdf

 

GnRHアナログを用いた乳がん治療にまつわる研究(英語)
(レルゴリクスにもちょろっと触れていますが単独の場合のみで、タモキシフェン併用は話題にも上がらず)