10月は Breast Cancer Awareness Month、いわゆるピンクリボン月間ですが、今年も16日の第三日曜日に平日受診が難しい方のため日曜受診を行っている医療機関の情報が公開されています

 

乳がんのリスクについては過去にもいくつか記事を書いていますが↓

 

 

 

よく見かけるものを簡単に並べると:

 

❖ 遺伝
❖ 体がエストロゲンにさらされる期間が長い
  (初経が12歳前、あるいは閉経が遅い)
❖ 出産経験がない
❖ 初出産が30歳以降
❖ 運動不足
❖ 避妊ピル・モーニングアフターピル 
❖ ホルモン補充療法
❖ 飲酒・喫煙

などでしょうか。

 

今回は一番の遺伝について、一般的に知られているリスク以外のものにも触れてみたいと思います。

ちなみに余談ですが、アジア圏は欧米に比べ乳がん発症率が全体的に低い一方、アジア圏の乳がん患者は約半数が若年性(閉経前)だそうで、若年性だけで比べると近年は欧米の発症率を超えているところもあるそうです。最近知って驚きました。まだ原因不明だそうですが、現代の食生活やライフスタイルが影響している可能性もあるそうです。

 

乳がんと関係するその他のがん

「乳がん・遺伝」といえば、BRCAの遺伝子変異とそれによって診断される HBOC (Hereditary Breast and Ovarian Cancer、遺伝性乳癌卵巣癌) がまず頭に浮かぶ人も少なくないのでは。

 

ですが、BRCAが関連しているがんは乳がん・卵巣がん以外にもあることをご存知でしょうか?

 

BRCA遺伝子は以下のがんとの関係性が報告されており、これらいずれかのがんを経験している親族がいる場合、遺伝性の可能性が高まり、自身がこれらのがんを発症するリスクも上がると言われています:
 

❖ 乳がん
❖ 卵巣がん
❖ 膵臓がん
❖ 前立腺がん

 

特に膵臓がんとの関係性については、まだあまり知識が世間に浸透していない印象を受けます。私も膵臓がんで家族を亡くしていますが、それが他の具体的ながんのリスクも引き上げるものだとは、自分が乳がんになるまで知りませんでした。


もちろん、実際にその遺伝子変異を持っているかどうかは検査をしないと分かりませんが、その可能性や特に気をつけるべき部位などを把握するだけでも大きいのではないかと思います。

仮に検査で陰性でも100%ではありませんしね。検査結果には「まだ発見されていないものや、研究が進んでいない変異、BRCA以外の遺伝子変異がある可能性もある」との注意書きがありました。

 

2014年には喫煙者がBRCA遺伝子変異を持っていると、肺がんの発症率が一般の喫煙者の約2倍(13%から25%)になるとも共同研究で発表されています

 

BRCA以外にも、最近は様々ながんのリスクを高める遺伝子がいくつも報告されていますが、ここで綴ると切りがなく… (がん研有明病院のこちらのページではそのいくつかに触れています。)

 

英語になってしまいますが、イギリスのチャリティ団体 Cancer Research UK のサイトでは、上記のがん研より更に多くまとめてあります

 

医療は確かに進歩していますが、やはり早期発見に勝るものはないので、自分や家族のリスクをしっかりと把握しておくことも大事ではないかと思います。

 

既に乳がん罹患済み・治療済みであっても、月一回の両胸(全摘済みでも)のセルフチェックが肝心です。万が一再発があった場合、早い段階で見つける鍵となるかもしれませんので、どうかお忘れなく。

 


出典


National Cancer Institute (米国国立がん研究所) のBRCAファクトシートの和訳 (2018年現在)

 

 

 

↑の論文の原文 (英語)

 

 

『がんと遺伝子の関係について』がん研有明病院

https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/heredity/relationship.html


Cancer Research UK の遺伝子リスト (英語)

 

ASCO (米国臨床腫瘍学会)のHBOCに関するページ (英語)

 

欧米とアジア圏の乳がん発症率を比較した論文 (英語)

Female Breast Cancer Incidence Among Asian and Western Populations: More Similar Than Expected. Sun, et al. (2015).

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4651040