乳がんになるリスクを高める要因は様々ですが、その中でも「生まれ持ったもの」の一つががん家系などの遺伝、もう一つは初経・閉経年齢です。

 

近年ではBRCA1BRCA2の遺伝子に変異が見られる方は特に乳がん及び卵巣がんになるリスクが高まることが知られています。BRCA1の遺伝子検査が陽性の場合は、70歳までに乳がんを発症する確率が55〜65%と言われ、BRCA2が陽性の場合はその確率が45%とされています。

 

また、両胸同時に乳がんを発症するリスクや、片胸に発症した場合は健側にもいずれ発症するリスク、また、若年性乳がんのリスクもBRCA検査が陽性の場合は高まることが知られており、

比較的症例数の少ない男性の乳がんも、BRCA検査が陽性の場合は発症のリスクが高まります。

 

ただ、乳がんのリスクを高める遺伝子変異はBRCAに限られておらず、BRCA自体の変異も全てが知り尽くされている訳ではありません。なので、仮にBRCA検査が陰性であっても「絶対乳がんにならない・乳がんに紐づく遺伝子変異を絶対持っていない」という保証にはなりません。

 

乳がんを発症しない一番の保証は、アンジェリーナ・ジョリーのように胸そのものを全摘出することですが、なかなか勇気がいる決断です。(BRCAが陽性の場合は卵巣がんのリスクも上がるので、彼女は両胸を全摘した数年後に、予防目的で卵巣の摘出手術も行っています)

※日本でBRCA検査を受ける場合は保険適用でも自己負担額が7万円前後まだまだ比較的高額の検査です。

 

更に乳がんの「原因」の一つとして必ず上がってくるのが女性ホルモン、エストロゲンです。エストロゲンは卵巣で作られるホルモンで、生理の周期や妊娠などによって分泌量が上下します。

 

初経年齢が早い、あるいは閉経年齢が遅い場合は、総合的に体内で分泌されるエストロゲンの量がその分多くなるため、これも乳がんリスクの一つとされています。

 

初経年齢が早ければ早いほど乳がん発症のリスクが高まるとされており、更に初経年齢の早さと閉経年齢の遅さを比較した際、初経年齢が早い方が高リスクだとイギリスから研究結果が出ています。

 

私の場合、BRCA検査は陰性でしたが家族はがん家系、初経年齢は10歳と早く、30歳までに出産経験なし(その後もですが)、などいくつか当てはまる点がありました。更に新型コロナウイルスの影響で外出自粛の生活が始まってからは運動不足も目立つようになり、ますますがん細胞が増殖しやすい体内環境になっていたのかもしれません。

 

ただ、がんはまだまだ未知の部分が多く、リスクの要因に全く当てはまらなかったり、最善を尽くして気をつけていても発症してしまったりと、予測不可能で厄介な病気です。

 

女性は月に1回、日にちを決めてセルフチェックをすることがベストではないかと思います。私が自分の乳がんに気づけたのも、「そういえば」と久しぶりにセルフチェックをしたのがきっかけでした。今はコロナで病院を避けたかったり、健康診断を後回しにする方も多いかと思いますが、そういう場合も尚更セルフチェックが大事になってくるかと思います。

 


出典
 

乳がんリスクの要因

 


アンジェリーナ・ジョリーが両胸摘出について語る記事


アンジェリーナ・ジョリーが卵巣摘出について語る記事

 

乳がんリスクと遺伝子検査について

 

 

イギリスの研究論文

Menarche, menopause, and breast cancer risk: individual participant meta-analysis, including 118 964 women with breast cancer from 117 epidemiological studies.
The Lancet Oncology (2012年)

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1470204512704254