そもそも、ロボット、特に人型ロボットという要素を何かしらの作品に採用するというのはピーキー、というか確実に一定層の人間を取り込むことはできるが、確実に一定層の人間を逃す、ということであると思っている。
実際に現代において人型ロボットというのは大ブームとはなり辛い現状がある。
そのため、多くの作品に於いてはロボットは一要素として留められ、メインテーマに取られた作品は少ない。(ここで言うロボットとは基本的に巨大ロボットを指す)
だが、科学がSFに追いつく日が来るとしても決してなくなりはしないジャンルではあるとも思っている。
常に一定層の人間は巨大人型ロボットを動かしたがっているし、暴れるのを見たがっているのだ。自分もその一人だし。
さて、ロボゲーというジャンルだが、これの歴史もまた長い。どのハードでも枚挙に暇ないほどの作品が過去に発売され、今もなお出続けている。
例えば、『アーマードコア』シリーズ、『フロントミッション』シリーズ、『メダロット』シリーズ。
また、これらに共通することだが、自機のカスタマイズ要素がある。事実、ロボゲーとカスタマイズ要素というのは殆ど切り離されないように思う。自機を動かし、その武器や外見を自分好みにチェーンしてゆく、他メディアと違って自分で動かす、改造するというのはロボゲーでしか味わえないからだ。
そして、その動かすこと、改造することをメインに据えたロボゲーから100円程度で購入でき、一日くらいは潰せるそれなりに面白いゲームを紹介しよう。
それは、「バンダイ」より1997年に発売したPS専用ソフト『サイバーエッグ バトルチャンピオン』である!
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さて、1997年のゲーム事情といえば『ファイナルファンタジーⅦ』のメガヒットを皮切りに『グランツーリスモ』、『みんなのGOLF』とプレイステーション全盛期!
に、ひっそり出たのがこちらの『サイバーエッグ バトルチャンピオン』。
ちなみにこの年のロボットアニメ事情はというと現在まで『勇者』シリーズの最終作品である『勇者王ガオガイガー』の放映開始が主でしょうね。現在、高校生ぐらいでも知ってる人は結構いるのではないかな? 僕もギリギリですかね。
では、まずストーリーから。
全世界に拡大した驚異のテクノロジー「サイバーエッグ」。
驚くほどのスピードで進化を遂げた究極のナノマシーンファイター、それがサイバーエッグである。
プロ・アマを問わず、年齢、性別を超えて集結する。
サイバーエッグバトラーたち。
キミは全世界の強豪を撃破し、真のチャンピオンになれるのか?
こちらは説明書からの引用。
よくあるホビーアニメって感じですかね、調べたところによると関連ホビーが発売されていないようで、なにかボーガー臭がしないでもない。
まぁ、あっちが非常に濃いのに対して、こっちは薄すぎるけど。
次にゲーム性。
プレイヤーは「サイバーエッグ」を操り、敵をフィールドから落としていく、というのが基本のアクションゲーム。
(いかにもPSなポリゴン)
攻撃方法はパンチと三種類から選べるアンカーと投げ、それとジャンプ中に自分の体力を消費しながら放つボンバーとジャンプ攻撃の五種類。
敵、味方共に体力ゲージがゼロになってもその場でゲームオーバーになることはないが、相手の攻撃を喰らった時に吹き飛ぶ距離がゼロに近づくほど伸びる。要は減算式のスマブラと思ってもらえばいい。
操作感だが、動かしてみてまず感じたこと、遅い。操作に違和感もないし、レスポンスもいいのだが……とにかく遅い。
そもそも子供向けなのだろう、難易度も最高レベルでも温めだ。
だが、ゲームとしては意外と悪くないと感じた。シンプルな落とし合いも悪くないし、ステージもサクサク進む。ただし、飽きるまでは。
このゲーム、もちろんカスタム要素もあるのだが、それがポイント振り分けによる能力値のアップとアンカー程度(全三種類)しかない。普通に銃や剣等といった武器はないし、最初から最後まで殴り合う。
つまり、与ダメ効率や移動速度の上限程度しか変化はない。
ならステージで変化を、と製作者側も考えたようで、ストーリーモード一週目は楽しめた、ボス戦闘もあるし。
プレイアブルキャラクターは七人とまぁまぁだが、肝心の「サイバーエッグ」の外見以外の変化は初期能力だけ、と微妙。
次に詳細なストーリーについて。
こちらも非常に薄い。
本ゲームにはストーリーモードが存在し、七人のバトラーとなって、プレイできるのだが……各キャラごとにシナリオの大幅な変化などは感じられない。ただでさえ、変化のないゲームを変化のないストーリーに沿ってプレイするのだから、もうたまらず、筆者は四人目の途中でやめてしまった。
他のモードに2P対戦モードがあるが、こちらも正直長く遊べない。
ルールがアイテムを先に多く集めるものしかない上、画面が辛い。
何が辛いのかというと、ストーリーモードが三人称視点で「サイバーエッグ」を後ろから写していたのに対して、このモードでは一人称視点、つまり「サイバーエッグ」の視点で見ることになる。
(こちらが2P対戦画面)
狭い分割画面での配慮なのかもしれないが、これがストーリーモードとの操作感との齟齬を生み、かえって操作しづらい。
そして、最大の欠点はジャンプだろう。
本作はジャンプすると、カメラの角度は固定されたままフィールドを俯瞰する形になる。
しかし、これが対戦モードになると
こうなる。
これが狭い分割画面で高速に切り替わるのだから酔ってしょうがない。
自分はポリゴン酔いしないほうだが、それでも少し気分が悪くなったので、苦手な人は尚更だろう。
子供向けだとしたら子供はすぐに投げ出してしまうこと間違いなし。
さて、ここまで欠点ばかりを上げてしまったが……本作独自の面白さというのは確かにある。それがアンカーだ。
アンカーは敵や壁に射すことができて、壁にさした場合、自分の動きが完全に停止する。
これを本作フィールドの特徴である、フィールド端で敵か味方が着地するとフィールド全体がその着地した方向へ傾く、というギミックと組み合わせると……自分だけがアンカーで静止したまま、敵だけ滑り落ちてゆくといったことが出来ないわけでもない。
また、移動速度の遅い本作では遠くを狙えるアンカーに頼らざるおえないので、アンカーの使いようが練度の証明となると言っても過言でない。
なので、このアンカーがうまく使えてくるとそれなりに楽しい。三種類あるし。
正直、相手の動き止めるやつが強すぎて他はいらないまであるけど。
一応、ステージも戦略性を試されているような気もしない場所もなくもなく、(一週目は)飽きさせない。
なので、7000円の定価では決して満足できないし、クソゲー掴まされたと感じるだろうし、800円でもちょっとだけれども、まぁ100円ならいい買い物までいけるんじゃないだろうか?
こう、今日の休日は安い中古ゲームをいっぱい買って遊ぶぞーとなった時、安い『サイバーエッグ バトルチャンピオン』を見かけたら、買ってあげてもいいんじゃないでしょうか? ネタにもならない地味ゲーですが、それなりには楽しいです。いや、ホントそれなりに。
僕も全く期待しないで遊んだので。まぁ、期待しない感じで遊ぶとうーんまぁ100円だし、楽しめた方かなぁ? となるかもしれないかもってところでひとつ。