パートナーの誕生日に寄せて | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

24日はパートナーの68歳の誕生日でした。

私のつぶやきやブログにちょくちょく登場する彼ですが、

実は彼の事をきっちり書いたり話したりした事はあまりないと思います。

伝記が書けるくらい面白い逸話がある人なのですが、

実はとてもクソ真面目で神経質でへそ曲がり、絶対に道理を通すというある意味困ったちゃんでもあります。

今は年を取ったから周りが理解してくれますが、

若い時は生意気だと言われてかなり大変だったと思います。

 

私が学校卒業時まで大変発声に悩んでいた時、ある人に紹介されたのが彼です。

名前は聞いたことあったのですがどんな人かわからないので情報通の友人に聞いたら、

「まあよく歌うんじゃないの?でもね、あの人、授賞式で賞状破いたんだよ」と。

詳しい事は知らなかったようですがそれを聞いて、

へえ、面白いな、と思いました。

実は私も彼に劣らず生意気な女だったので上っ面な状況に辟易していたのでした。

そして初めて電話で話した時は実に衝撃的なものでした。

「ヴェルディはフレーズが長いから小さく歌わなければいけない」とかブレスの事など、

どんな問いかけにもちゃんと理論通りに答えてくれる。

今まで伝統として伝えられたものを何故そうなのか説明された事はありませんでしたから

目から鱗が落ちて行くようでした。

しかもそれを実践してくれる人はいませんでした。

また、伝統とされている事が間違っている事も知りました。

私は彼と出会う事によって私の理想とした世界を始めることが出来たのです。

 

それから約30年、色々な出来事がありました。

私の人生上で最も苦しい事が何度もありましたが、

私がなりたかったもの、音楽家への執念はぶれる事はありませんでした。

これは全くを持って彼のお陰です。

初めてのデートは映画でしたがその時お弁当を作ってきてくれました。

シンプルなのにそれがとっても美味しくて今でも脳裏に焼き付いています。

 

私には尊敬する人が沢山いますがあえて3人に絞るとすると、

まず恩師の、原田茂生氏先生

昔の劇団若草の社長であられた八重垣先生。

そして恥ずかしいですがパートナーの工藤健詞です。

私は長い事、工藤の声楽に対する知恵を何故みんな利用しないのか不思議でしたが、

こんな難しい人は邪念がある人には扱えないのだと知りました。

しかし近年同志が多くなりとてもやりやすくなってきています。

さて、今年はうちにとって様々なイベントがあっていままでの総決算の年になりそうです。

さあ!頑張るぞー!

(写真はお弟子ちゃん達からの誕生日プレゼント)