そう言えば・・・ | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

もう17,8年くらい前の事になる。

10年教えてた音楽高校である日副校長に呼ばれた。

「貴女は来年から契約が切れます」

簡単に言うとクビって事だ。

腹は立ったが正直言うとやめたいと思っていたのですんなり受け入れた。

昔から噂には聞いていたけれどこの学校はとても嫌な所だった。

上っ面は優しい顔をしているけれど裏の顔はおそろしく、

まるで伏魔殿の様な所だったと思う。

学生の時は登校拒否になった事がないのに、先生になってなってしまって笑えたものだ。

朝起きた時は何ともないのにいざ行こうとすると具合が悪くなって倒れてしまう。

自分でも情けなかった。

しかし生徒は才能のある純粋な子が多く、それだけが私の救いだった。

今そこで教えた子達にうちのオペラやコンサートを手伝って貰えているから

暗黒の10年間は無駄ではなかったと思う事が出来た。

しかし所詮学校の裏側とは権力闘争の吹き溜まりなのかもしれない。

ペーペーの私には関係ない話だったがその嫌な雰囲気に敏感に反応してしまったのは

私がまだまだ未熟だったのだ。

さて、その私がクビになった同時期にある有名な弦奏者の女性もクビになっていた。

その人は「何故私が?」と言って受け入れなくて困ったよ、と副校長が言っていたっけ。

酷い話だと思ったがどうせ男の方を残したんでしょ?とスルーしてしまった。

優秀な音楽家を育てるとかプライドを掲げていたって、

本当は露ほどそんな事思ってないんだよ、連中は。

第一何が優秀なのかもわからないんだろうな。

でもこれが医学でもっていうのは恐ろしい事だ。

病気にもなれないわ、全く!