歌において完璧という事 | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

昨日お弟子ちゃんから歌における完璧はどういう事か聞かれたのだが・・・

厳密に言うと完璧なんてあるはずない。

だって機械じゃないんだからさ。

しかも人間の身体が楽器ですヨ。

一番やっかいな楽器じゃないですか?

自分を冷静に見つめるって結構難しい事です。

だから、そうだなあ、90パーセント程度クリアしていれば完璧だーって言ってるんだけど。

 

でもクリアしていない10パーセントって結構やっかいだ。

その10パーセントがそのうち20パーセントになり50パーセントになり・・・

50歳位過ぎたらもう歌えなくなっているのだ。

自分でその10パーセントを知っていて何とか修正しているのならまだいいが、

終わってしまった歌手がほとんどだ。

ソプラノではマリア・カラス、テバルディ、サザーランド・・・等々。

いくら有名でも発声の欠損をそのまま放置して歌えなくなった歌手のマネを私は絶対したくない。

 

まあね、10年以上教えていてもニューヨークで偶然一緒だったお弟子ちゃん達は見抜けなかったしなあ。

だけどちょっと見ればわかると思うんだけど。

歌い始めの中音で音程が悪かったらいくら高音が輝かしくてもダメだとか、

顎が上がっていて喉の中が丸見えでカバーがないから、

肺が強いうちはいいけどそのうち抜けて来るとか・・・

見ればわかる事は沢山あるのにその場の雰囲気やオーラにごまかされてしまうのかなあ。

 

もっと神経を細かくして人を観察して自分も見つめて欲しいと思う。

さてそんな話も「くどう式発声講座」で見て下さいネ。

2月12日18時半より日暮里サニーホール・コンサートサロン

入場料1500円です!