歌手の未来 | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

先日、知人ととてもショックな話をした。
エージェントと歌手の話だ。

昔からわかっていた事だが、エージェントが強い所の歌手しか歌えない、
歌う場所がないって事。
ある歌手(私達が女性で一番だと思っている)は歌う機会があまりないのだそうだ。
そんな事があっていいのだろうか?と思うが世の中の常なのでどうしようもない。

それでこの間見たとんでもないバタフライになってしまうのなら、みっともなくて恥ずかしい。
なにがスカラ座かって事だよね。
エージェントは自分が抱えている大物とヘタクソを抱き合わせで売るから、
大物聞きに行きたくてもヘタクソも聞かなきゃいけなくなる。
そしてそのうち、そのヘタクソが有名になっていくのだ。

私達は見たいものだけ見に行くからまだいいけれど、
現地に住んでいる人達はあまりにひど過ぎてもうオペラ見たくないって言ってる。

もちろん、歌手にも問題はある。
いくら歌が素晴らしくてもお客を呼べなければダメだ。
だから付き合いをしなければならない。
そして大口の客を呼び込まなければ。

例えばチケット千枚売りますって言ったって、2千枚売る人が出れば負けてしまうのだ。
そういう例を私は良く知っている。
お客に来てもらうには、その客が本当に彼または彼女の歌を評価していればいいが、
そんな事ある訳ないから、魅力のある人間にならなくてはいけない。
地味だとダメだろうな。

本当に素晴らしければいつか絶対日の目を見る。
だがその日は多分とっくに50歳は過ぎてるだろう。
そこまで貧乏に耐えながら続けられるかだね。

ま、これはメジャーの話。
私の様にメジャーじゃない人は気楽なもんよ(笑)
だけどうちの若い人は世界に羽ばたいて欲しいから、
その実力は十分あるから、
やっぱり少し世の中変えないとね。

今年は色々批評したりして「歌とは何か」をお喋りしていきたいと思ってます