帰国してから見てきたオペラの事どう書こうか迷っていた。
めずらしく本当の事書くと差し障りあるかなー、反感買うかなー、なんて。
でも大学でお世話になった食堂のオジサンが亡くなって、
短い人生だからやっぱり好きなように生きて行こうと思うことにした。
もちろん言った事には責任取るから反論あったら受けてたつけどね。
さて、歳を取ると色々なものを見てきて色々な事がわかってくるからいい事もあるのだけれど、
何を見てもつまらなくなって来ているのはちょっとした不幸だと思う。
例えば聴衆をどんなに沸かせたバリトンだとしても
「プロッティはこんなもんじゃないよ」という一言で終わってしまうのだ・・・
ソプラノにしても綺麗な声で若くて美人とか評判良くても、
私達の目には学生に毛が生えた位にしか見えず、
「いいジルダ聞いたことないのか!」と思ってしまう。
おまけにメゾソプラノなんて初見か?という程リズム出遅れてるし。
そう、これがスカラ座リゴレットの感想ですね。
グリちゃんに関しては前半とても良かったんだけど後半は空けちゃいけない方向が多かったかな。
最初は連れ合いもアレじゃいかん、今に声なくなるよ、と言ってたんだけど、
もう何回も難しいマントヴァ歌ってて声が曲がらなくなってきて、
とりあえずひっくり返らない様に空けるって事もたまには許されるかも、
パヴァロッティもそう言えばやってたなあ、と。
ヌッチも74歳なんだから凄い事だしそんじょそこらとはレベルが違う。
ただ我々は自分達自身が超一流を目指しているからね(笑)
巨匠に対してもちゃんと理論的に批評出来なくちゃいけないのだ。
歌手達(リゴレットとマントヴァ以外)の未熟な技術に反して、
オケの方は凄い!の一言だった。
「悪魔め、鬼め」なんてどうやったらあんなに合わせられるのだろうという位、
音楽が生き物の様にうねっていった。
こんな理想的な音楽を聴いたのは初めてかもしれない。
実は私達は今回一番前に座っていた。
するともうすぐ開演という時にフラフラっと指揮台に現れた人物がなんとルイゾッティで、
これから本番なのになんでー?と思ったけれど、
今年指揮者デビューするお弟子ちゃん達に、
「行って指揮勉強してます、と行って来い!」と指令を出し、
一緒に写真を撮って貰った模様。うらやましい~~~。。。
イタリアに来るとオペラのいい指揮者達に出会えてとっても嬉しいのだわ。
つづく・・・