ミラノに再び戻り本命のカルメンを見ました。
9月に久しぶりにカルメンをやるので勉強の為です。
さて、スカラ座はいい席を取るのが大変で今回も本当はプラテア(平土間)が良かったのですがパルコになってしまいました。
このパルコというのは知り合い同志で見るのは楽しくていいのですが、
スカラ座の場合前2人しかしっかり見えなくてあと3人は覗き込む形になります。
ヘタすると立たなければ見えないかもしれません。
高い値段なのに損なので出来れば避けたいのですが今回はもの凄い人気でここいか変えませんでした。
ホセ役のクーラは今までに「ロンディネ」「道化師」「カヴァレリア・ルスティカーナ」等、何回も見ています。
20数年前に初めてトリノで「ロンディネ」を見た時、その声の美しさとパワーに驚いたものでした。
それからは渡欧時に出来る限り追っかけている一人でもあります。
私が見たのは3回出演の最終日で同じパルコにいた熱狂的クーラファンのオバサンによると2回目は咳を凄くしていたけど、今日は調子がいいとの事。
確かにいつもはちょっと気になるクーラ節(極端に短かったり、言葉のアクセントをわざとはずしたり)は全くなく、「花の歌」も素晴らしいものでした。
総合的にみるとこれまた他とは断然格が違う歌手であるにも関わらず一般大衆(天井桟敷)にはやはりわからないみたいです。
カルメンのガランチャは発声も思ったより良かったし一生懸命に演じていましたが、
彼女の真面目さがカルメンのキャラではないし、これがヴェルディのメゾだったらどうなのかな?という感じです。
ヴェルディは本当に発声の真価を問われますからネ。
演出は最悪でした。
よくこんなものを何回もやるなと思います。
一番嫌なのはお金をかけていないという事ではなくて、
人間関係が見えないという事です。
特に男女の愛と憎しみの話がどこかに行ってしまうと、
どう演じていいかわからなくて面倒ですからね。
それにパンツ一丁の子供が沢山出てきたりされると、
何がしたいんだと怒りさえ出ますョ。
もうちょっとまともな人間が演出して欲しいですね。