まだ頭の中はヴェネツィアです。
もう何回も行っているので初めての時のあの驚きの感動はないけれど、
まだヴェネツィアをさまよっている幻想を抱いているのは、ここが最後だったからかもしれないし、
オペラを見たからかもしれない。
今回はヴェローナでグノーの「ロメオとジュリエット」、ヴェネツィアで「トラヴィアータ」を見ました。
始めから狙ってたのですがテノールのグリーゴロと、若いバリトンのピアッツァーロを聴きに行ったのでした。
これが大正解!
グリーゴロは全体的に声が大きくなり、特に中音の大きさがやや気になりますが(何故かというと必要以上に大きいとバランスが悪くなり将来がないから)、
ハイC4回をなんなくクリアし、舞台を駆け回り駆け上り、と大活躍でした。
もう境地というのでしょうかね、彼のオーバーアクションは。
舞台というのはなかなか思う通りに動けないものですが、
こうする、こう動く、と固い意志で形を決めて明るいテノールを演じているみたいです。
エンターテーナーですね。大いに楽しめました。
またピアッツァーロはまだ30歳位ですが彼の数年前のロドリーゴをDVDで見て注目していました。
これがまたまた大当たり!高くて難しいジェルモンは素晴らしい発声で、しかも音楽的でした。
とっても頭のいい若者なのでしょうね。
連れ合いに言わせるとタデイとプロッティにそっくりで、特にプロッティのきっちりとしたフォームは瓜二つだそうです。
久しぶりに超大物バリトンの出現といったところだと思います。
これから私は演奏会で大変な秋を迎えますが、いい人を聴いて触発されました。
老体にムチ打って頑張ります(笑)