マエストロ達 | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

先日の本番の前日にレオ・ヌッチの2007年スカラ座のリサイタルを見た。
いやあ、見ておいて良かった!
途中で調子悪くなりかけた時にフッとヌッチのフォームを思い出した。
あの凄まじい圧迫と決して前側に動かない点・・・


インタビューでヌッチは始めに師を信じて6年間発声だけをみっちりやった、
と言っている。
パヴァロッティもそうだが質のいい歌手にはこの積み重ねがある。
だがこの長い期間をじっくりと勉強する人間がどの位いるだろう。
多くは焦ってしまい耐え切れなくなって技術を習得する事を放棄してしまう。
それに大概は大学を出た時点で(親ですら)もう出来たモノと思ってしまうだろう。

または本当の技術を教えてくれる人に出会えないかもしれないが、
それは探そうとしない本人に責任があると思う。


そういう意味で2012年スカラ座ヴェルディレクイエムのソリスト全員、
ガラン○ャ、カウ○○ンその他はその肝心な発声修行を経て来なかったのがまるわかりだ。
身体能力は凄いし、特別器用だけど、初めの一歩が全く欠けてるとはね。


さてヌッチも尊敬しているアルド・プロッティとヌッチの違いは何か連れ合いに聞いてみた。
連れ合いはプロッティのもとで通算10年勉強している。
朝から晩まで師のもとで発声をやりまくって一声も出なくなっても、
不思議な事に次の日は何ともなっていない。
とにかく頭と身体に徹底的に叩き込む、といった感じだったそうな。
「そりゃあプロッティの方がもう一回りごついョ」との事。
性格も声ももっとごつくてドラマッチックでバリトンやベルカントのお手本となる歌だ。
うちにレッスン風景のビデオがあるのでいつかのせたいと思っているのだが・・・
もっと色々聞きたい人は10月14日に発声講座をやるので、
いらして下さいませ~~~うふふ(^_-)