家にテノールがいたらそれは「野獣」がいるのと同じ、
と誰かが言った言葉がある。
(本当はこの言葉ではないのだが支障があるので・・・)。
これは歌い手全般に言えるのだけど、
でもでも・・・やはりテノールは別格だ。
まず。。。とにかく、うるさい。。。
しゃべるしゃべるしゃべりまくる。
そしてあっちこっち行ったり来たり。。。
もう落ち着いてテレビを見ていられない。
そうかと思うと仕方のない事だけど一番嫌なのは、
突然声が出ない、と騒ぎ始める事だ。
そしてそれが本番に当たった時なんか・・・
地獄だ(+_+)
私も歌い手だが今まで本番で声が出なくなった事はない。
調子悪い時や発声がうまくいかなくて四苦八苦した事はある。
多分これがもっと重症化すると声が出なくなるのだろう。
先日の本番で数年ぶりにコレが来た。
2週間前から喉が痛いと聞いていたがそのまま忙しい日々を送っていて、
そして前日。。。
「こりゃ明日はダメだわ、やめたい、降りるべきだ」と始まった。
確かに。。。そうすべきなのだけど、
義理と人情で縛られているので結局無理矢理歌ってしまうはめになった。
こういう時、むしろ妻という立場だけだったら大変なのかもしれない。
だがこっちも歌わなければならない、しかも最高の歌を!
だから人の事なんかかまってられない。
声が出ようと出まいと私の責任じゃないし、
と思わなくちゃこっちの声がでなくなっちゃう。
しかしこの日は歌う他に伴奏も担当した。
一曲目(パリアッチから衣装をつけろ)は良かったのだが、
二曲目(フェドーラ)あたりからゴリゴリになってきた。
三曲目(カンツォーネ)不思議な事に高音は出る、それも恐ろしい声が。
しかし中音がかすりもしなくなった、
さすがの私も途中でやめよう、と言いそうになった。
辛かった((+_+))
もう一曲(帰れソレント)は急遽私が歌う事になり最後の高音だけ参加して連れ合いの分は終わった。。。
私は前後に自分の歌を歌ったが予定外の帰れソレントを頑張りすぎて、
中音が響かなくなりそうになり大慌て。
だから人の事かまってられないのよね。
その夜連れ合いは大きな可愛いネズミを真っ二つに切る。。。
というイヤーな夢を見たそうだ。
動物は自分の事だから自分がイヤだったのだろうな。
私も忘れたけど夢見が悪かった。
だからね、
舞台上で何があってもテノールよりマシだし。。。と気楽に考えられるのだ。
それに恥かいても死ぬ訳じゃないし(^_-)